日本では世界的にみても珍しい魚を生で食べる国です。
多くの日本人はうまい魚は刺身で、寿司で
釣った魚は最高の鮮度!自分で釣った魚はやっぱりうまい!
釣り人にしか味わえないものがそこにある。
と魚種にもよりますが釣った魚の半分近くは生で食べられています。
余談ですが日本人は食に関して生という言葉に弱いようです。
生ビール
最近だと生食パンなど生のパン類も出てきました。
生チョコなど生なものはたくさんあります。
ただ生は生でも肉類、魚類とこれらではリスクがダンチです。
肉にも魚にも細菌や寄生虫が存在します。
これらの存在を知り、適切に判断することができれば食中毒を回避することができますが無闇に突っ込むと腹が爆発します。
今回は魚に潜む寄生虫についてご紹介いたします。
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取扱注意!魚に潜む恐怖の大魔王 寄生虫
魚に潜む寄生虫の代表格としてアニサキスが挙げられます。
定期的にニュースでアニサキスによる被害が取り上げられ、その都度売られている生魚
刺身用の魚が危険視されます。
が、アニサキスはどこにでもいるものである意味生魚を食べるならそのリスクを承知してますよね?的なものでもあります。
食中毒といった人間に害を与える寄生虫だけではなく、食べても問題ないものも多くいます。
売られている魚全てを検品することは難しいため、
特に丸1匹で買った魚には何かしらいると考えて良いでしょう。
こういった寄生虫は古くから認知されており、その対処法として様々な調理法が考案されました。
例えばあじのたたき。
鯵のたたきは薬味と合わせてミンチにするもの。
これは寄生虫を徹底的に破壊し、粉砕玉砕大喝采することでリスクを下げるものです。
もちろん小骨を砕いたり、臭みを消すという意味も含まれています。
他にはイカソーメン
いかにもアニサキスがいそうな感じがするイカ
これを細く切ることでアニサキスを殺しているわけです。
醤油、わさび、酢には殺菌効果があるとされていますが一部細菌を滅することはできてもアニサキスなど寄生虫は倒せません。
シメサバに関しても酢で締めた程度ではアニサキスは死なない可能性があります。
しっかりと一度冷凍された場合は倒せた可能性が高くなります。
生物には細菌類も多くいますので殺菌できる醤油などは必要不可欠です。
殺菌もできて味わいもより深く、豊かにしてくれる最高のお供。
それでは良く見かける代表的な寄生虫についてご紹介いたします。
アニサキス
魚にいる寄生虫の代表アニサキス。
サバ、カツオ、秋刀魚をはじめとする青物
イカ、サケ、タラにも多く寄生しています。
生きた状態のアニサキスを体内に取り込んでしまうと胃の内部で暴れ、食い破ろうとするため腹痛、吐き気、嘔吐を引き起こします。
時間が経てば胃の内部でアニサキスは死にますがそれまで耐えられるかどうか、
とにかくこういった症状が出た場合は早めに医療機関を受診しましょう。
内視鏡で摘出することもあり、それをみれるチャンスかもしれません。
アニサキスは本来、魚の内臓周辺や、腹腔内にいることが多く
魚が死ぬと筋肉側へ移動すると言われています。
そのため釣った直後に締めて内臓を取り出せばアニサキス症を防ぐことができると考えられていますが
魚が生きている段階で筋肉内にいるものもあるため完璧な対処方法ではないようです。
アニサキスの対処方法としては
加熱、冷凍が最も効果的です。
アニサキスは虫ですので焼けば死にます。
中途半端な冷凍ではなく、しっかり冷凍しても殺すことができます。
なので刺身で食べたい場合は一度冷凍してから解凍して食べるとアニサキスのリスクを抑えることができます。
ただご存知の通り、一度冷凍した魚を刺身で食べる場合、かなり食味は落ちます。
他にはアニサキスは目視することができます。
体長は20mm前後
三枚に下ろした状態で見つからなくても刺身に切り分けた状態で見えることもあります。
刺身を薄く切るのはアニサキスなど寄生虫を見やすくするためという説があります。
1匹だけいる、ということは珍しいため1匹見つかったら生食を諦めた方がいいでしょう。
ちなみにアニサキスはブラックライトで輝くという性質を持っています。
グロー系ルアーを蓄光する様にブラックライトを持っている場合はそれを使ってアニサキスを探すことができます。
クドア
クドアセプテンプンクタータ
ナナホシクドアと言われている寄生虫です。
その名の通り見た目は綺麗な星、花びらの様な形状をしています。
クドアは最近注目が集まっている寄生虫です。
スーパーの刺身を食べたところ食中毒になったというニュースは記憶に新しいところ。
主にヒラメに寄生する小さな寄生虫で、これを人間が食べてしまうと
下痢や嘔吐といった症状を引き起こします。
時間と共に自然回復するため、0-157のような危険性は薄いと言われていますが辛いことに変わりありません。
クドアセプテンプンクタータはヒラメに寄生するものです。
クドア・イワタイという種類もあり、こちらはマダイ、スズキ類、コチ、サワラなど幅広い魚に寄生しています。
このクドア・イワタイは身に米粒程度の大きさの白い斑点を作るので腹を開けたら一発でわかります。
クドアは粘液胞子虫というものに分類され現在100種類近く確認されています。
生食の場合、下痢や嘔吐を引き起こす可能性がありますが冷凍・加熱処理したものは安全です。
腹を開けて白いつぶつぶがあるとグロいですが衣か何かつけて揚げて仕舞えば気になりません。
可愛い寄生虫たち
最後に良く見かけるが人間には害のない寄生虫をご紹介いたします。
それはウオノエ。
魚の餌とかいてウオノエ。
ウオノエは一つのカテゴリでその中に
タイに寄生しているのがタイノエ。
サヨリにいるのがサヨリヤドリムシといます。
口やエラに寄生するダンゴムシっぽい寄生虫です。
最近では寄生虫ではありませんがダイオウグソクムシが可愛いと言われていることからこれら寄生虫も可愛いと言われているんだとか。
これら寄生虫は宿主の血液などを吸って生きています。
タイノエなど、口の中に寄生するタイプは魚の舌に張り付き、舌から栄養を補給しています。
ずっと吸われ続けるため、魚の舌はいつしか切断されてしまいます。
このことから舌切り虫とも言われています。
魚にとって舌は重要な機関であり、これがないとうまく捕食することができず餓死します。
タイノエが舌を切り落としてしまった後、美しい共存が始まります。
まずある程度成長してしまったタイノエは遊泳力、寄生力がなくなるため他の魚へ再度寄生することは難しくなります。
なので一度ついた魚と運命を共にすることになります。
運命を共にする相手の舌を切ってしまったあと
舌がない魚はそのままだと衰弱し切ってしまうのでタイノエが舌の代役を買ってでます。
タイノエがいなくなってしまうと舌のない魚は死ぬため、魚は共存を余儀なくされるわけです。
ちなみにウオノエは口のなかで勝手に繁殖します。
元々ウオノエはオスの状態で生まれます。
そして魚の口へと寄生します。
先ほども紹介しましたが寄生した後に宿主を離れるのは難しくなります。
そこでメスがいればめでたく結ばれる。
先住民がオスだと地獄になるかもしれません。
タイノエは雄性先熟、オスからメスに性転換するタイプです。
寄生した魚に先住者がいなければメスへと成長し雄を待ちます。
単体の先住者は基本的にメスということになります。
中にはすでにカップルが成立しているところに第三の資格としてねじ込むこともあるそうです。
魚の餌
魚の餌と言われますが餌となっているのはウオノエではなく魚の方
そして厄介だと思われた寄生虫ですが最後は共依存となる泥沼の関係なんです。
ウオノエは人間に寄生することはありません。
加熱すれば食べられます。
味と食感はシャコらしいです。
食べたことある方、感想をコメントで教えてください。
今回は寄生虫についてご紹介いたしました。
基本的には加熱処理すれば人間に害を及ぼすことはない様です。
魚だけではありませんが生ものは一定のリスクがあるわけです。
皆様も十分にお気をつけくださいませ。