釣れ然なるままに written by 小泉 貴久

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意外な性能ピンクフロロ

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大好評発売中、デュエル魚に見えないピンクフロロ

おかげさまで一部売り切れが出るほどの商品となりました。

 

特に30lbs、40lbsの売れ行きがよく品薄となっております。

100lbs近いラインは使う釣りが限られてくるのでそんなに売れているわけではありませんが

意外なことに20lbs以下の細いラインが普通のフロロに比べて売れてないというデータが上がってきました。

 

ということは魚に見えないピンクフロロを信じていただき、普段より少し太めのラインを選んでいただいている、ということ

だと勝手に解釈しました。

 

見えないのであれば太くしても構わないだろう

その通りです。

 

ただ見えないから太くしても何も変わらないと言い切ることはできません。

ラインが太くなると水の抵抗を受けてルアーの動きが変わったり、

そもそもラインから謎の波動が出るため見えなくても魚がラインを検知することもあります。

とはいえ、我々人間も含め生物は視覚に頼るところが多いので見えないというのはアドバンテージであることに変わりありません。

 

 

おさらいになりますがなぜ魚に見えないピンクフロロが魚に見えないのか。

 

 

ピンクフロロが魚に見えない理由

目に見える光、つまり可視光線

大きく分けて赤、橙、黄色、緑、青、藍色、紫

この波長を見ることができます。

赤より先は赤外線、紫より先は紫外線と言われる領域です。

 

54種類の海水魚で調査したところ赤600nm以上に感受性を持っていたのはわずかであり、ほとんどの魚は青色と緑色(440〜570nm)の感受性しか持っていないことがわかりました。

 

そもそも透明であるフロロラインがなぜ魚に見えるのか。

シルエットが見えてしまう、ということもありますが

多くの場合太陽光などの光がラインに入り、基本的には透過しますが一部光が

ラインの内部で反射、屈折することでキラつきが発生します。

 

人間でいうと綺麗に掃除された窓ガラスはぱっと見では気が付かないかもしれません。

しかし歩きながら見れば光が屈折するためガラスがあると認識することができます。

 

また汚れや曇りも同様で、それがあるだけで光の透過が変わるのでそこにガラスがあると認識することができます。

 

このことからフロロカーボンが根ズレしたり、白くなったりすると魚から見えやすくなってしまうとも言えます。

 

 

話を戻してラインに入ってきた可視光線、多くの海水魚には青と緑が見えていることになりますがこれらがラインを透過してくる場合はガラスと同じように透明に見えます。

ややこしいですが見えないのではなく透明に見えます。

 

目を凝らしてみれば、または凪など落ち着いた状況で見れば識別できるということです。

 

そして光が入ってくる際にラインの内部で光が反射すればキラつき

魚にとって見えるキラつきは青と緑ということになりますがそれが見えているはずです。

 

 

ここでデュエル 魚に見えないピンクフロロはカラーフィルター効果を使い、このキラつきを抑えています。

 

カラーフィルターとは入ってきた光を吸収、カットとも言われますがそう言った効果のことです。

可視光線がラインに入ってきた時に魚に見える範囲青と緑を吸収できればキラつきが魚には見えなくなります。

人間には魚に見えないピンクフロロのキラつきが、というかピンクが見えますが魚には見えないという不思議な状態となります。

 

青と緑以外カットするとどうなるのか、透明になるのか

これはまたややこしいことに別の色となります。

黒というのは光を吸収することで黒となっています。

光がない状態が真っ暗、言い換えれば黒というのは同じような理屈です。

 

逆に白というのは光の全てを反射する色。

全ての光をまとめると白ということにもなります。

 

 

まとめると魚に見えないピンクフロロはラインの中で反射して見えてしまうキラつき

これを抑える効果があります。

ピンクフロロは透明性があるためこのような効果がありますが

同じピンクでも透明性のないもの、例えばベタ塗りのピンクはそもそも光が透過しないので認識することができます。

 

 

魚に見えないピンクフロロを使うとカッターに合わない

前置きが長くなってしまいましたがここからが本題です。

 

魚に見えないから釣れる、という謳い文句な商品ですがその性能は魚に見えないから釣れるだけではありません。

結果的には魚に見えないことでもたらされる効果ではあるのですが、

釣れるかどうかと同じくらい重要な効果です。

 

 

それは鋭い歯を持つ魚にリーダーをカットされないという性能。

 

タチウオジギング、サワラキャスティング

こういったラインカッターを得意とする魚で致命的な問題

それはスパッとラインをカットされルアーを無くすという言葉にならないあれが起こります。

 

群れの中にルアー、ラインをつっこんでいるので接触すれば切れてしまうのは必然。

 

ただラインを切られる理由はいくつかあって魚に見えないピンクフロロを使うことでそれを防ぐことができます。

 

タチウオ、サワラがラインを切っていく理由の一つはミスバイト。

ルアーやジグにアタックしたがルアーではなくその上のリーダーに触れてしまった場合。

 

これを少し紐解くと、実はリーダー部分にアタックしてきていることが多くあるのです。

その理由はリーダーの放つキラつきがベイトにみえ、それにバイトしている。

 

ヒットして、魚が乗ってからカットされるのはおそらくリーダーの向きが悪く魚の口に入った場合でしょう。

しかし巻いていて前触れもなく、スッと軽くなりリーダーが切られていた、という場合はリーダーにアタックしている可能性が高くなります。

 

タチウオ、サワラをやっていると多くの方が経験しているのではないでしょうか。

 

以前私が目視したことがあるのがサワラキャスティングで一面にサワラがいる時。

ルアーにチェイスしてくるサワラが見えるような状態です。

 

この時にルアーめがけてアタックしてくる、後方から追尾してくるのは自然ですがルアーの前にあるリーダーめがけて横から突っ込んでくることが何回かありました。

 

ルアーの近くとかいうレベルではなく、明らかにリーダーの場所。

その時は落下点予測みたいな動きかと思ったのですが後々こう言った経験を重ねて思ったのがリーダーもルアーの一部として見られている可能性があると。

 

サワラやタチウオではリーダーを切られないように太くする傾向にあります。

これによってリーダーのキラつきレベルも当然上がりますのでよりルアー

めちゃくちゃ長い棒のようなルアーになっているのかもしれません。

 

 

諸説ありますがシーバスを釣る際。

特にバチ抜けシーズンに使うような波動が出てるんだか出てないんだかわからないようなスティック。

これに太いリーダーを使ってしまうとルアーとリーダーが一体化してしまい、

巨大でロングなスティックになってしまうと言われています。

 

理由は違いますがラインが太くなると見切られる

というだけではなく、存在として別物になる可能性があると言えます。

 

 

魚に見えないピンクフロロのサワラ、タチウオカッターについてですがデュエルスタッフの中で一時話題となりました。

 

デュエルスタッフの集まりがあった時に

そういえば魚に見えないピンクフロロ使い始めてからカッターされてないな

と話が始まり、そう言えば俺も俺もとなりました。

 

当時は釣果ばかりを気にしていた我々ですが考えてみれば魚に見えない

キラつきが見えないならリーダーにアタックしてくることは無くなるよねと認識した瞬間です。

 

先ほども申し上げたように完全にカッターを防ぐことはできません。

 

ルアーにアタックしたらズレてスナップ上に歯が当たって切れたり

ファイト時に反転などしてラインが当たって切れることはあります。

またヒットした後にナブラや群れの中を通過する際に他の魚に接触して切れることもあります。

 

ですがかなりカッターを予防できる事実があります。

私は今のところ魚に見えないピンクフロロにしてからノーカッターです。

 

 

魚に見えないピンクフロロ

見えないから釣れるだけではない、意外な性能をご紹介いたしました。