キャストで飛距離を出したい
それは誰しもが思うこと。
野球でもサッカーでもなんでも遠くへ飛ばしたい
または早く飛ばしたいと思うものは多いでしょう。
そうするとどうしても力みがちになります。。
力むこと自体は悪いことではありませんがその力む種類によっては飛ばしたいのに飛ばせなくなる理由となります。
特にロッドのように長くしなやかなもの。
これは人体にはない柔軟性と復元力です。
その点を理解し、適切に力を加えないと体の力がロッドへうまく伝達されず、飛ばすことができなくなります。
また力むと体力を消耗し、長時間投げられなくもなります。
上手い人ほど力を加える軽く投げる。
そして長い時間テンポよく投げることができるから結果的に釣れるとも言えるでしょう。
今回は力まず飛距離を伸ばす方法をご紹介します。
この記事の内容はYouTubeでもご覧いただけます。
力むと飛距離が出なくなる理由
まずロッドというものと人間の体の性質は異なります。
当然ですがロッドには関節がありませんが先から根元まで綺麗な放物線を描くように曲がることができます。
人間においては各関節、筋によってしなやかな動きをすることができますが放物線を描くほどではありません。
また力を加えると筋肉という柔軟性を持つ筋が硬直し、柔軟性を失います。
そのためロッドの柔らかさに対して筋肉や関節がそのしなやかさを相殺するというわけです。
ロッドは剛の力を持ち合わせていますがキャスト時には適正なルアーウェイトであれば
棒のようになることはまずありません。
そのため固定された柔らかさ、これに人間が力を入力する際、同じ柔らかさの力で入力する必要があります。
手で何かを持つスポーツ全般で言われることですが釣りにおいてロッドは手の延長である。
手の延長と表現されますがロッドは我々に合わせてくれることはあまりなく、我々がロッドに合わせることで手の延長となります。
このように物理的に力の種類が異なるものはお互いに相殺するか、どちらかが食ってしまうということになります。
こちらに合わせてくれないロッドはこちらで合わせるしかない。
しなやかな力を持つロッドにはしなやかな力を入力しなければなりません。
そのため力みというのは不要なのです。
なれてきたり、ロッドの性質が自分にはまっていると力むことでさらに飛ばせるようになったりしますので力みたい脳筋野郎も完全に諦める必要はありません。
力むとバックラッシュする
今回は主にスピニングタックルで解説いたしますが説明するのにベイトタックルがわかりやすいのでご紹介します。
ベイトタックルにおける最大の問題はバックラッシュ。
バックラッシュする理由はいろいろありますがスプールの過剰な回転によって引き起こされます。
またスプールが回転している中で失速や急停止することでもバックラッシュは発生します。
これらは力んだキャストで発生しやすくなります。
ベイトタックルのキャストの理想はロッドが投げる方向で揺れずにピシッと止まること。
多少ロッドの性能が出るところではありますが多くのベイトロッドはちゃんと投げればピシッと止まります。
ロッドを振り抜いたり力んでしまうとピシッと止まらずにロッドが揺れます。
このロッドが弾いた時にラインはティップの方に一瞬引っ張られます。
そしてロッドが戻る時にラインは緩みます。
これによってスプールの回転に対し、ラインの放出速度が変化しバックラッシュを引き起こします。
力んで投げるとバックラッシュする理由の一つはスプールの高速回転。
もう一つがこのロッドによるラインの加速と減速です。
ベイトタックルにおいてオーバーヘッドよりサイドキャストの方が飛ばしやすい、バックラッシュしないというのはこれも関係しています。
オーバーヘッドの場合
真上、またはスリークウォーター気味に振るので基本的には正面に飛んでいきます。
振り方的に真横に飛ばすのは無理です。
とりあえずまっすぐ飛んでいくため振り抜きやすい。
ロッドを思いっきり振って気をつけなければならないのは地面に叩きつけないという点。
なので思いっきり振りやすくなります。
しかしサイドキャストは正面に投げようとすればロッドを野球のように振り抜くことはありません。
狙っているところでロッドの振りを止めようと意識はしません。
横に振り切ると横に飛んでいくという意識があるため振り抜きにくくなります。
また重力といったものもサイドであれば均一にかかるため、振り切ってしまうというのが減ります。
このように意識と重力といった要素でサイドの方が投げやすいと感じることが多いです
スピニングで力むと
スピニングにおいては力んだり振り切ったりしてもトラブルはあまり起こりません。
しかし飛距離には大きな影響を与えます。
力む、振り切るとベイトタックル同様にロッドが地面側にいくためラインを引っ張ります。
この時に叩きつけた分だけラインを引っ張るので飛行中のルアーの失速につながります。
スピニングはラインの放出がスパイラルなのでベイトよりさらに影響を与えます
飛んでいるルアーを引っ張ってしまうということです。
これはミノーなど軽いルアーほど顕著に現れます。
スピニングはベイトと比べ投げ方が割と派手にできますが派手すぎるというのはこのように飛距離に影響を与えることになります。
飛距離を重視するのであれば投げた後の動作を意識することで余計な引っ張りが発生しません。
また飛行中のルアー、特に失速しはじめた時にロッドを下げているとその分飛距離が落ちることもあります。
が、この影響はさほど大きくはありません。
手首のしなやかさ、関節の可動
冒頭でロッドの柔らかい力に対して硬い力をぶつけると相殺するとご紹介しました。
ロッドは上から下まで綺麗に曲がりますが人間は関節しか曲がりません。
ロッドに合わせるためには関節をフル活用してしなやかな力を出す必要があります。
例えば力んで関節を一部固定した状態で投げるとしましょう。
そうするとロッドから体までの全体を見てみると支点の位置が変わってきます。
手首だけで投げれば短く。肩から投げれば手の延長としてロッドが長くなり、より遠心力を産むことができます。
物体の位置で考えてみると
同じA点とB点を移動するものがあったとして
押して移動するより支点を固定して振った方が速度が出やすく、より少ない力で動かすことができます。
これもキャスト時にも当てはまりよりロッドの先
さらには垂らしているルアーまでを意識し、支点を作りそこを軸にして振る必要があります。
そのためには体はしなやかでなければならず、力むと鞭のようにはならないということです。
テイクバックも綺麗にできるとロッドが綺麗に曲がるようになるのでまた飛ばせるようになるでしょう。
投げ方のコツ
力まない、それにつきます。
力まないことでロッドの反発を感じやすくなり、テイクバックから初速の良し悪しが判断できます。
そして力まないことでルアーを投げた直後も振り切らないようになり、ルアーを失速させない効果があります。
ベイトタックルのようにビタッと止める必要はありません。
スピニングはある程度叩きつける投げ方になるものです。
ただ無駄に振り切る、極端に言えば回転するというのをやらないようにしましょう。
力むのをやめただけでは最初は飛ばないかも知れません。
しかしやっていくうちにロッドの感覚、さらにはその先にあるルアーの感覚が掴めるようになります。
そして力んでも飛ばせるようになります。
その頃には力みが剛の力みではなく柔の力みに変わっているはずです。