釣れ然なるままに written by 小泉 貴久

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ルアーの目は必要なのか?目の効果とは

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ルアーの目の重要性について考えたことはありますか

 

ルアーにフックがついているのが当たり前であるのと同じように目は一部を除き、必ずついています。

 

また目単体で売られており、ルアーを作る際には必ずつけるだけではなく市販のルアーの目が取れたらつけ直すというのが一般的となっています。

 

 

それほどに重要視されているルアーの目。

一体どんな効果があるのでしょうか。

 

今回はルアーの目の必要性について解説いたします。

 

 

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ルアーの目は必要なのか?目の効果とは



ルアーに目がつくようになったのは割と最近の出来事。

 

ルアーの起源は色々ありますが最も有名なものはスプーン。

それと弓角。

 

これら元祖ルアーには目はついていませんでした。

 

ミノーといった魚の形をするルアーが登場したことでルアーに目というものが付くようになったとされています。

 

 

現在目がついていないルアーはワーム、ラバージグ、スピナーベイト、スプーンですが一部目がついているものもあります。

 

基本的には目があるということです。

 

それでは目はどういった役割があるのか

捕食側から見て餌の目をどう捉えているのかご紹介します。

 

 

魚の視野

多くの魚は目を体の側面についています。

 

これは草食動物と同じで幅広い視野を確保し、いち早く危険を察知するためです。

 

 

肉食動物、我々人間は視野は正面のみで後ろは振り向かない限り見ることはできません。

その代わり、奥行き感については特出しています。

 

これは餌となるものを発見し、忍び寄って攻撃をするため

天敵はさほど多くないので危機察知を捨て攻撃特化になったと考えられています。

 

そのため魚や草食動物のように目は側面ではなく、正面についています。

 

 

魚は広い視野を持ちますが体の後ろは死角となります。

また多くの魚は近視のため幅広く見えますがほとんどがぼやけており、近づかないと詳細に認識することができません。

 

そのため魚は視覚だけではなく波動を検知する感覚機関が発達しています。

 

 

 

イワシなど高密度な群れを形成しているのに魚同士がぶつからないのはこの機能によるものです。

 

 

また草食動物は目の可動域が狭く、白目もほとんどありません。

そのためどこを見ているのかわからない、それが重要になっています。

 

視線が相手に見られることで次の行動パターンが読まれます。

それがないように草食動物のほとんどはどこを見ているかわからないような目になっています。

 

魚においても大型の魚ほど目の可動域が広く、小型の魚はあまり目が動きません。

 

目は弱点ではない

動物において目は弱点です。

 

目をやられるとほとんどのものが再起不能となるでしょう。

 

 

魚の目は他の動物同様に弱点ではありますが、そこまで比重が重くありません。

 

というのも先ほど紹介したように魚は目の他に波動を検知する感覚機関があります。

また視野角は広いですが極度の近眼です。

そのため目が見えなくなっても致命的問題には至らないのです。

 

長く魚を飼っていると白内障になることがあります。

しかしその魚はたまにぶつかることはありますが壁にぶつかり続けたりすることはありません。

 

しかし目が弱点になる別の理由があります。

それは目がついている場所。

 

動物は目の近くに脳があります。

目は頭部についています。

 

目が弱点でもありますが目の近くには急所があるということです。

 

 

捕食側は頭部、頸椎、動脈を破壊すれば仕留められることを知っています。

目は一種の照準であると言えるでしょう。

 

 

逆に目には相手への抑止力として働くこともあります。

 

 

捕食側の多くは身を潜めて餌に近づき、仕留めるのが基本となります。

これはできるだけカロリーを消費しないで捕食するため。

 

例えばチーターが追いかければほとんどの動物を捕まえることができるでしょう。

しかしそれを持続するには莫大なカロリーが必要となるため、狩として効率的ではありません。

 

隠れて捕食する際、当然相手に見つかれば逃げられます。

相手に見つかるというときは目が合っている場合が多い。

 

そのため威嚇ではないにしても目が合っていると動物はアタックしにくいとされています。

 

 

これはオーストラリア ニューサウスウェールズ大学の研究で明らかになりました。

 

その研究とは牛のお尻に目玉を書いたらライオンに襲われにくくなるというものです。

 

牛がライオンに襲われる被害がある地域で62頭の牛の群れの1/3にお尻に大きな目玉模様を書きました。

そうすると10週間でライオンに襲われた牛は3頭とこれまでに比べると激減。

そして襲われた牛は無印の牛だけでした。

 

 

目玉模様は自然界でも存在します。

例えば蝶の眼状紋

これは羽を広げることで天敵である鳥を威嚇する効果があります。

 

魚でも眼状紋を有しているものが存在します。

 

その代表としてチョウチョウウオ

 

 

魚の眼状紋の役割は進行方向を欺くということ。

 

 

魚は前にしか早く動けません。

なので逃げるときには前に進みます。

魚の前は目のある方。

 

眼状紋の多くは目と反対の尾の方についています。

こうして捕食者を騙し、逃げるというわけです。

 

 

ルアーにある目が前についている

後ろについていないのはこれが一つの理由です。

 

ルアーで行動を欺き、混乱させてしまうとヒットしなくなってしまいます。

 

 

逆に捕食者側が眼状紋をつけていることもあります。

これは餌となる小魚へ、こちらの動きを錯覚させるため。

 

頭のある右に来ると思ったら、そっちはお尻だった

といった感じです。

 

 

目は人を惹きつける

ルアーで売上が高いのはチャートなど派手なカラーよりナチュラルなカラー。

 

リアルなイワシっぽいものほど売れる傾向にあります。

 

 

 

これはやはりリアルな魚っぽい方が魚は食いやすいのでは、と思う我々の考えです。

 

そのためリアルな目がついている、イワシそっくりなカラーは売れるのです。

 

 

これがいいのか、そこまで効果はないのかは不明ですが人間の心理としては目がリアル、またはちゃんとついている方が釣れる気がします。

 

ルアーの目はある意味人間が釣れるのかもしれません。

 

 

 

ルアーの目の効果

ここまでのことをまとめると

 

目は急所の目安になる

目に向かって攻撃すれば脳といった主要部を破壊することができる

 

目のある方向、つまり頭の方に進行するため目の向きを知れば次の動きが読める。

 

そのため眼状紋といったもので欺き、動きを読まれにくくしたり、致命傷を避けるようにする。

 

 

目は弱点というだけではなく、目が合っているとそれがたとえ弱者であったとしても攻撃に躊躇いが発生する。

 

 

というのが目の効果ですがルアーに目は必要ないとも考えられます。

 

先ほど紹介したように、魚の多くは近視です。

かなり目が悪いため遠くにいるものは認識できても目まではわからない可能性があります。

 

ぶり、スズキの視力は0.1程度と言われています。

これはかなり近づいてみないと目はどこかわからないでしょう。

 

目で餌を確認しているのはほぼ最終工程で餌の発見は餌の出す波動で認識しているとされています。

 

 

そういった点を除き、ルアーの目の効果としてフラッシングというのも考えられます。

 

ボディの塗装とはまた異なる輝きをする目。

そういったところで考えれば目は貴重なパーツであると言えるでしょう。

 

 

 

では目のシールをルアー全体に貼り付けてギョロギョロにしたらどうか?

そうするとただの一律のフラッシングルアーになるのですごいルアーになるわけではないかと思います。

 

 

 

目という小さなパーツ

現時点ではどのような効果があるかは分かりません。

目があれば釣れるわけでもないですし、あれば釣れやすくなるというわけでもないでしょう。

 

管理釣り場のようにほとんど目がついていないルアー、つまりスプーンを使う釣りもあります。

 

 

もし目が取れたら、付け直した方がいいのか

それとも塗装剥がれのメタルジグ、オモックが釣れるように無がいいのか。

 

私は取れたらつける派です。