釣れ然なるままに written by 小泉 貴久

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海の魚の主食、イワシの生態

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我々の食生活に欠かせない主食。

どんなおかずであっても変わることのない不動のポジション。

まさに食卓の司令塔。

どんなにまずい食事であっても主食がブレなければそれはご馳走であると言えます。

 

さて肉食魚にとっての主食は何か。

その多くはイワシです。

常にイワシを食べれるわけではありませんが肉食魚が選ぶ好きな食べ物ランキングによると一位はイワシ。

二位はあゆ。

そして一部の魚から絶大な人気を持つコノシロ。

 

このようにイワシ無くして海の餌を語ることはできないのです。

 

 

さて今回は海の主食であるイワシの生態についてご紹介いたします。

 

 

 

海の魚の主食、イワシの生態



 

魚へんに弱いと書いてイワシ。

その名の通り身が弱いことからこのような字が当てられていると言います。

身だけではなくそもそも鱗もすぐに剥がれるためちょっとした摩擦や衝撃でも死に至ります。

 

弱い魚ではありますがこの弱い魚によって海の魚は、そして我々人間は支えられています。

この世は弱肉強食と言われています。

しかし強者によって作られ成り立っているのではなく、弱者によってその根底を支えられているといってもいいでしょう。

 

 

 

 

先にお伝えしておくと現在イワシは一部地域において減少傾向にあり

その反面増加傾向にある地域もあります。

 

そもそもイワシと味は世界的にも漁獲量が多い魚です。

 

その理由としては取り扱いやすいということ。

そのまま調理して食べることから缶詰などの保存食、加工品としても使えます。

海外でもオイルサーディンなど古くから作られています。

 

 

それだけならまだ大幅な減少にはつながらないのですが近年日本においては生しらすブームが到来しました。

生しらすは比較的稼ぐことができる漁であり、需要も高いことから観光産業としても成り立っております。

 

しらすはイワシの稚魚。

正確にはシラスの全てがイワシというわけではありませんが生しらすの場合はほとんどがイワシです。

 

しらすとは体の色素が乏しく白っぽい稚魚の総称です。

イワシ類をはじめ鮎や、うなぎもシラスと呼ばれることがあります。

 

 

ただでさえかなりの数いるイワシ、その稚魚であるしらすも相当量いますが自然界で捕食される数と人間が捕獲する数では圧倒的に違います。

全てがこの要因ではありませんが人間の介入によって減ったという事実があります。

 

 

 

イワシが減ったと言われるのは狭い範囲

言い換えれば漁場が変わってきたとも言えます。

農林水産省海面漁業生産統計によると令和に入り10年前と比較すると75%増加したという報告があります。

 

黒潮の蛇行など環境変化もあってこれまで盛んだった地域では不調が続き、別の場所で好調となることも多いようです。

 

 

長い期間で見ると1990年初頭のピーク時に比べると2005年では6パーセントまでに減少しています。

80年代〜90年代までが異常なほどの好調だったのか、今が少ないのかというのは現在もわかっておりません。

 

このイワシの回遊に関しては釣りに大きな影響を与えることになります。

 

まずはイワシの一生についてご紹介します。

 

イワシの一生

イワシは地域によって異なりますが産卵は晩秋から初夏の間に行われます。

東北では1月〜6月

東海では3月〜6月

四国では11月〜4月

山陰では3月〜6月

九州では12月〜4月

 

産卵に適する水温は13〜16度と冷たい海域で行われ1匹のイワシから1万〜10万つぶの卵を産みます。

 

2年ほどすると産卵できるまでに成長します。

 

そして意外にもイワシの寿命は7年程度。

もちろんその途中で死んでしまうイワシも多くいますが餌になってしまう魚たちの中ではかなりの寿命を持っています。

 

ご存知の通り鮎は1年

コノシロは3年

アジは5年ほどです。

 

 

イワシは青物同様回遊魚。

イワシも青物とも言えます。

 

そのため季節によって海流に乗って日本近海を回遊します。

太平洋側では黒潮や親潮の流れを移動し、日本海側では対馬暖流によってその行動を広げます。

 

海流にのり回遊しつつ、日本沿岸で産卵するためシラスが取れる地域というのがある程度決まってくるということです。

 

 

イワシの食生

イワシはプランクトンを食べて生きています。

 

そのためプランクトンが発生しやすい、漂いやすい浅いエリアにいることが多く、アジとは異なり比較的浅い水深を泳ぎます。

日中は10m程度、朝夕は浮上しやすくなります。

そのためナブラ、鳥山といった現象を目にすることができます。

 

プランクトンを主食としているため環境の影響を大きく受けます。

 

例えば昼行性と夜行性のプランクトンの活動が切り替わる朝と夕方ではイワシも活発に捕食活動を行います。

また風が吹いたり、波が出ればプランクトンはその当たる面に流されていくためイワシもそれを追って入ってきます。

こういったこともあり風が吹いたら釣れるとも言われています。

 

風が吹いたらベイトがよる。

というのはベイトが流されてくるということもありますがさらに流されやすいプランクトンがイワシを連れてきてくれることにもなります。

 

ちなみに主食となるプランクトンは動物性プランクトンがメインですが植物生プランクトンも捕食します。

 

 

イワシの意外な特性

突然ですが皆様の利き手はどちらでしょうか。

多くの方は右利きだと思います。

 

最近では左利きに関して修正されることはほとんどなくなりましたが一昔前までは左利きの場合、右利きに直されることがありました。

 

 

イワシについてですが基本的には右利きです。

イワシが作る群れ、イワシボールをよく見てみると右回りで回転します。

とある研究によると2/3が右回りで残りが左であるとされています。



この右利きに関しては筋肉の発達の関係があるためクーラーに入れて締めたイワシ

イワシを焼くと多くの場合右に反ります。

 

 

ルアーに関してもやや右側によるタイプの方がいいのか、これに関しては関係ないのか気になるところ。

 

 

 

イワシへの依存度

イワシは海の生物から愛されすぎてやばいです。

イワシに依存する生物がたくさんいます。

 

そのためイワシがいるところなら大体何かそれを狙う魚がいます。

 

そしてそいつらはストーカーの如くそのイワシの群れから離れません。

釣るためには本命の狙っている魚を探すより、イワシを探す方が効率的といってもいいでしょう。

 

イワシがいる場合は打ち上がったり、タイドプールに取り残されたり、鱗が流れていたりとヒントがたくさんあります。

 

また回遊速度が速いわけでもないので大きな理由がない限り見つけたエリア、翌日もその近辺にいます。

しばらくチャンスデーが続くかもしれません。

 

 

回遊

イワシはゆったりではありますが回遊する魚です。

 

イワシも当然捕食しますのでプランクトンに依存します。

 

 

一つは潮の流れで回遊するタイプ。

これはプランクトンの流れに依存しつつ、水温の変化などの要因もあって移動するタイプです。

 

もう一つは定住するタイプ。

イワシは概要にいることも多くありますがプランクトンの供給量が安定している地域ではそこに定住することがあります。

 

漁港やワンド、そこに流れ込みがあったりと絶え間なくプランクトンがいる場合は定住したりします。

ただしイワシの適水温は10度〜25度

最低限海水温は8度

となるためこれを超える場合は移動します。

 

イワシによって好適水温は異なり

マイワシは16度、カタクチイワシは22度となります。

 

 

海の主食、米とも言えるイワシ。

イワシの動きが釣りを大きく変えると言えます。

 

まさにイワシファースト。

とはいえソルトルアーにおいてはイワシだけではないので色々なベイトパターンも検討する必要があります。

人間もイワシに依存しすぎないように注意しましょう。