売られているルアーの評価というのはアングラーによって大きく分かれます。
ルアーだけではなくロッドもまた同じく使い手によって印象が異なるものです。
例えばロッドならグーグルで検索してみると
機種名の後に出るサジェスト上位に
ロッド名 インプレ 折れやすい
と出てきます。
ルアーであれば
ルアー名 飛距離
ルアー名 飛ばない
ルアー名 釣れない
と続きます。
ネガティブなワードが多いですが売れ筋上品だったり、釣れることで有名な機種でもこのような評判というものがあります。
飛ばないと言われるルアーでもメーカー的にはスンゲェシステムを搭載していて飛ぶ
と謳っているものも多くあります。
それでも飛ばないのは何故か。
飛ばない理由は投げ方の違いだったり、タックルとの相性である場合があります。
今回はルアーごと
主に固定重心、移動重心で最大限に飛距離を出せる、使い分けるべきキャスト方法についてご紹介いたします。
この記事の内容はYouTubeでご覧いただけます。
ルアーごとに異なる飛距離を出すキャスト方法
ルアーの性能を測る上で一番わかりやすく、購入意欲をそそるのが飛距離
ルアーのサイズ、重さ、レンジに関しては大体どこのメーカーでも同じになる
正確にはミノーなら1mくらい潜るか
バイブレーションならボトムか
このサイズならこの重さくらいか、使うロッドに対応しているな
とある程度想像で選ぶことができます。
ただ飛距離に関してはルアーそれぞれで大きく異なります。
だからこそパッケージに飛距離を記載する必要があるのです。
求人サイトでいうところの休日と給料条件みたいな感じです。
そして飛距離が出ると聞いて買いました
しかし飛びません、という事態は決して珍しいものではありません。
評判だったから買ったものの、意外と飛ばないじゃん
ということは多くあります。
こんだけ飛びますって言って飛ばないのは詐欺じゃないか
と思いたくなる気持ちもありますが実はそのルアーの投げ方が間違っている可能性があります。
投げ方を適正化することでそのルアーの性能が発揮され、カタログ表記通りの飛距離を出すことができるかもしれません。
それでは何がどうなってそうなるのか詳しくご紹介いたします。
ルアーの重心による違い
ルアーは主に固定重心とシステムが入っている移動重心があります。
飛距離に関して言えば固定重心の方が飛ぶものが多い。
というのも移動重心は狙うアクション、レンジの関係で浮力を持たせないといけない。
中空構造にする必要があるのだが軽くなるため飛ばなくなった。
という時に移動重心を入れることでキャスト時に推進力を生み出すというものです。
固定重心、移動重心で飛距離を比較すると固定重心の方が飛距離が出る傾向にあります。
というのも現代の技術はかなり発展してきましたが小型シルエットの固定重心
メタルジグ、極端に言えばただのオモリが一番飛びます。
ルアーはデカくなったり、長くなったりする分、空気抵抗が増えて飛距離が落ちます。
大型のルアーになるとスイング時の抵抗感も増えるため飛距離を落とす要因の一つです。
余談ですがロッドのカタログスペックでプラグMAX何 gとジグMAX何gで違いがあるものがあります。
ほぼほぼジグの方が重い表記になります。
これは何故違うのかというとキャスト時におけるロッドの負荷のかかり方の違いによるものです。
今ご紹介した通り、シルエットが大きくなれば抵抗感が増し、振り抜きにくくなります。
同じ50gでもダイビングペンシルと細身小型のメタルジグではメタルジグの方が振り抜きやすいと感じるでしょう。
ロッドと抵抗感という問題もありますが抵抗感が増すと人はロッドを無理にでも振ろうとするのでその予防線とも言えます。
推奨はしませんが適合外で合っても抵抗感を少なく、優しく投げれば投げられないことはありません。
ただ折れる可能性も十分にございますので自己責任でお願いします。
それでは固定重心と移動重心でどのように投げればいいのかご紹介いたします。
固定重心の場合
固定重心が最も投げやすいルアー。
割と適当に投げても飛ばすことができます。
その理由として固定重心は
シルエットが小さい
キャストのクセ、ロッドのくせの影響を受けにくいことが挙げられます。
固定重心のルアーをより遠くに飛ばすのにまず必要になるのが飛行姿勢。
全てのルアーで飛行姿勢は重要となりますが
シンペン、メタルジグ、バイブレーションは特に安定しやすいタイプのルアーです。
それは小型で短い、細い、薄いからと理由があります。
優しくゆったり投げてもある程度綺麗に飛ばすことができます。
後ほど紹介いたしますが移動重心の場合、優しく投げすぎると中の重心が移動せず、飛行姿勢が乱れることが多くあります。
この飛行姿勢が安定しやすいルアーの飛行姿勢を乱すのは我々、そしてロッドです。
多くの場合キャストする際に強烈に
そう、強烈にルアーを弾き出したり、ロッドを叩きつけるように振り抜き、放出されているラインの放出量に波を起こすと飛行姿勢が乱れます。
ベイトタックルであればバックラッシュしやすい投げ方をすると飛行姿勢が乱れやすくなります。
フルスイングしてロッドが曲がりティップが急加速して弾き出す、叩きつける
これをするとその反動でラインが一時的にした方向に引っ張られます。
ポニーテールを後ろからクイっと引っ張られて首がグギっとなるような感じがルアーに起こります。
これをすると飛行姿勢が乱れ、失速する原因につながります。
そのためロッドが大きく反発するよりはスマートにシャキッと投げる
ロッドが暴れない投げ方をすることで綺麗に飛ぶようになります。
これは投げ方の問題もありますがロッドの性能や癖にもよるのでその調整が難しいところでもあります。
固定重心の多くはルアー自体に重さがあるのでゆったり投げてもある程度飛距離を出すことが可能です。
フルスイング気味で投げて飛行姿勢が安定しない場合はゆったりとロッドが暴れないように投げてみてください。
移動重心の場合
固定重心に比べると難易度が高い移動重心。
移動重心といっても様々なタイプがあります。
一番扱いやすいのはボールがルアー内部で移動するタイプ。
これは揺らすだけでコロコロと移動しますのでキャストという行為が生み出す遠心力でほぼ間違いなく作動します。
少々テクが必要となるのがマグネットを使った移動重心。
通常時はルアーの頭側にウェイトがマグネットでくっついており、それがキャストの遠心力でリアに移動して推進力を産むものです。
ルアーを泳がせる時にこのウェイトがお尻にあると最高のルアーもマジでカッスイ動きをします。
そのためウェイトは巻き始め時には確実に頭に戻らねばならず、さらにはスイム中にリアに入ってはならない。
そのためマグネットは割と強力なものが多くなっています。
マグネットが強力なため剥がす際にも力が必要でしっかり触れていないとマグネットが後方へ移動せず飛びません。
マグネットが移動していないで飛んでいるルアーを見ると回転したりしています。
どうやってマグネットをガシャコンと後ろに入れるのか、というと急加速が必要になります。
ゆったりとした遠心力ではマグネットを剥がすことができません。
大振りで強い遠心力が働けばマグネットを剥がすことができます。
または瞬発的な加速です。
そのため移動重心に求められるのは一定の箇所で加速するスイング。
ペンデュラムキャストだとわかりやすく後ろに振ってから前に振り始めるとき
または振り抜いて最後の一撃をティップが押し出す時に剥がれやすくなります。
強い遠心力を与えるか、急加速させて剥がすか
これを意識するとシステムは正常に働きます。
今回はルアーの重心によるキャストに違いについてご紹介いたしました。
固定重心は飛行姿勢を乱さないようにすることで飛距離を伸ばすことができ
移動重心はそのシステムをしっかりと作動させることで飛距離を伸ばすことができます。
ルアーによってこの癖というものがあるので一概にこれだ!ということはできませんが方法を知っていればあれやこれや試せるのではないでしょうか。
飛ぶと言われているルアーを使っているのに飛ばないのは自分が下手だから
と思うことがあるかもしれませんがそういうわけではありません。
ご使用のロッドやリール、ラインとの相性
本当にわずかな力の入れ方の違いで飛距離は変わります。
簡単に飛ばせるルアーもあれば、少しコツが必要なルアーもあります。
色々なルアーに触れてみることでより理解が深まることでしょう。