釣れ然なるままに written by 小泉 貴久

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なぜシーバスはエラ洗いをするのか

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この動画では

なぜシーバスはエラ洗いするのか。

エラ洗いをする理由とエラ洗いの対処法についてご紹介いたします。

 

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なぜシーバスはエラ洗いをするのか

エラ洗いとはジャンプしたり、シンクロナイズドスイミング

今ではアーティスティックスイミングと呼ばれていますがその泳ぎのように半身飛び出して泳ぐ現象のことです。

 

エラ洗いといえばシーバスが有名ですがブラックバス、カジキ、シイラもそれに似た動きをします。

 

カジキの場合は他とは少々異なり、頭部から伸びた吻を使った行動でもあります。

ちなみにカジキと目を合わせるとウオノメ症候群になることがあるので注意してください。

 

 

水中に住む魚が異世界とも言える空中に飛び出すのは大きなリスクが伴います。

異世界に飛び出す恐怖心というものがあるかはわかりませんが、リスクを負ってまで

異世界に飛びなさなければならない事態が水中で起こっていることに違いありません。

 

天敵に追われてジャンプする

寄生虫を払うため

呼吸をするためなどなど様々な緊急事態があります。

 

 

エラ洗いも一つの緊急事態。

 

しかしこのエラ洗いは他の緊急事態とは大きく異なるところがあります。

 

それは釣り以外でエラ洗いをするのか、という点。

釣りをしていればエラ洗いをしますがルアーなどがかかっていない状態でシーバスがエラ洗いしたのをみたことはありますか。



0ではないにしてもボラが何事もない時に跳ねるように

またはマグロやサワラがナブラで跳ねるようにシーバスはその辺でエラ洗いをするというのは極めて稀です。

 

それではシーバスのエラ洗いの実態についてご紹介いたします。

 

 

エラ洗いの目的

シーバスの捕食方法は丸呑みタイプです。

 

そのため歯はありますがタチウオやサワラのように切り刻む歯がついているわけではありません。

以前別の動画でもご紹介いたしましたが丸呑みするタイプの魚はマルっと飲みやすい反面、喉付近で引っかかりやすく定期的に故意に吐くという行動をとります。

 

人間とは異なり手を突っ込んで吐くということが魚にはできないため、

頭を振って水流、遠心力を利用して吐こうとします。

 

水中でシーバスは結構この行動をとっています。

これが水面付近でやるとエラ洗いになるわけです。

 

水面でエラ洗いをするのは様々な意見がありますが一つはこの吐く行動

異物を排除しようとする行動が釣りによって水面まで持ってこられ、

テンションがかかっている状態で頭を振ったらエラ洗いになったと考えられています。

 

この考えからすると釣り人からかかるテンションがなければわざわざ海面まで出てエラ洗いはしないことになります。

 

釣り以外でシーバスがエラ洗いをしないことを踏まえると信ぴょう性のある仮説です。

 

 

他にはやはりルアーを外そうとエラ洗いをすることも考えられます。

シーバスだけではなく、シイラもヒットしてから割と跳ねることがあります。

 

シーバスは縦方向にバタバタと立ち泳ぎっぽい感じになりますが、シイラは豪快に着水を考えない飛び方をします。

 

一説によると魚には痛覚はない、と言われていますが痛覚がないだけで感覚がないわけではありません。

そのため異物はやはり不快感、違和感といったものになり、反射的に取り除こうと動くはずです。

 

口に対する違和感はエラ洗いで対処しようとするのが見受けられますが例えば背中や胴体にかかった場合、シーバスはほぼほぼエラ洗いしません。

 



またエラ洗いでラインを切ろうとしている説もあります。

シーバスをはじめスズキ目の魚のえらぶたはカッターのように鋭利です。

 

簡単に手を切りますので触る際は注意してください。

 

その鰓蓋でラインを切ろうとしているのでは、という意見もあります。

 

 

 

バラしやすい理由

エラ洗いはバラす原因です。

 

多くの釣りではラインブレイクがバラす原因の大半を占めますがシーバスにおいてはエラ洗いがダントツかもしれません。

 

エラ洗いというあの行動がバラしやすいのはみてわかりますが他の要素も重なってさらにバラし度を上げています。

 

魚を丸呑みするタイプの魚は口がデカくなります。

その口は常にでかいわけではなく、可動域が広く捕食時に2倍以上の大きさとなります。

 

その可動域を確保するために口周りの骨格が広い

そしてそれを覆うように薄皮で風船のようになっています。

 

他の魚に比べると口のでかい魚は皮が薄い

そしてその薄い皮の部分が広いのです。

 

 

青物であれば硬い口、サワラは骨格ごと柔らかいので口が壊れることがありますが青物御三家ではフッキングが決まればまぁまぁ安心できます。

 

しかしシーバス、アジも同じく口の皮が薄いのでそこにかかるとフックをぐりぐりしながらファイトすると穴が広がっていきます。

そしてその穴が広がって例えカエシがついていてもスポッと抜けます。

 

多くの場合、この口の薄皮にかかることが多いため、エラ洗いをされると瞬殺されるわけです。

 

 

良くも悪くも掛かり所がいいとバラしやすくなるともいえます。

シイラに関しては口の皮が薄いわけではないのでジャンプされてもシーバスほどバラしやすい魚ではありません。

 

エラ洗い対策

エラ洗いはいうまでもなくテンションが抜けたりすることでバラしにつながります。

 

空中に魚が出るというだけで水中とは異なる状態になり、制御が効かなくなります。

 

エキサイティングかどうかを除き、えら洗いをそもそもさせなければバラしにくくなります。

 

 

方法はいくつかあり、常にテンションをかけ続け、ジャンプできないようにする。

パワーファイトスタイル。

 

ベイトタックルで太いラインを使っているとゴリ巻きで寄せることができます。

 

 

シーバスが海面付近にいる場合はロッドを寝かせるのも有効な方法です。

ただシーバスはエラ洗いをしたり、近くにある根に潜ったりする魚なのでロッドを寝かせたせいで潜られるということもあります。

 

まさにロッド捌きを試される魚です。

 

 

もしエラ洗いを開始されたらテンションを抜かないようにロッドで引っ張るか、リールを急いで巻く必要があるでしょう。

 

エラ洗いされた時についでにどのようにフックがかかっているのか見ておけるとその後にやり取りやランディングの時の参考になります。

 

 

 

今回はシーバスのエラ洗いについてご紹介いたしました。

 

サイズ問わずエラ洗いをするシーバス。

バラす原因でもありますがこれが魅力的な魚でもあります。

 

余談ですがシンクロナイズドスイミング、エラ洗いのように立ち泳ぎで上半身を海面から出そうと努力した時期がありました。

気合を入れてバタ足をしたためか途中であれが剥き出しになってしまい、とても恥ずかしい思いをしてからやっていません。