釣具において最もトラブルを起こす存在
それはライン。
魚と人間を結ぶ運命の糸の実態は脆く儚いものなのです。
いちいちトラブっているとイライラしますし、釣りになりません。
最悪再起不能になり、強制終了ということもあるでしょう。
一体何がいけないのか。
自分がいけないのか、それともラインがクソなのか。
はたまたタックルがダメなのか。
要因は様々あり、複合することでより難解なものになります。
ただ一つずつ紐解いていくとすんなり解決につながることもあります。
ラインなだけに。
今回はライントラブルの原因となる一例と予防方法についてご紹介いたします。
この記事の内容はYouTubeでもご覧いただけます。
なぜすぐにトラブル?ライントラブルの原因と予防方法
ライントラブルはライン単体での絡み
ロッドやリールに対する巻きつき
破断
といったものがあります。
一番重症となるのはライン単体での絡み。
切れば済む場合もあれば根深いところでいつの間にかできているコブ
エアノットがあります。
またベイトリールであればバックラッシュもこれに当たります。
近年主流となっているPEラインは細くしなやかなため、一度結び目ができてしまうと解くのが難しい。
わずかな違いかもしれませんがこういったライントラブルを解消するには少し硬めのPEラインを使うことで改善することもあります。
後ほど詳しくご紹介いたしますがエアノットが出来やすいラインとできにくいラインがあります。
次にロッドやリールへの巻きつき。
ロッドに対する巻きつきは穂先絡みといった発生するとイライラするものですが簡単に解消できるものです。
リールへの巻きつきは軽度なものだとローターへ巻き付く程度
これはすぐに気がつきます。
一番厄介なのはスプールの中にラインが入り込み、シャフトに巻き付いているという現象。
最近のリールではかなり改善されましたが一昔前のリール、安いリールでは頻発していました。
ロッド、リールどちらも使い方次第である程度予防することができます。
使用環境下によって配慮、システムの見直しをすると予防することもできます。
最後に破断。
一番多いのは結束切れ
PEラインとショックリーダーの結合部が切れたり、解けすっぽ抜けることがあります。
スナップとの接合部で切れる場合もあります。
使用するラインの太さによって結束方法の向き不向き
ロッドのガイド径と結束コブの相性といろいろ要素はあります。
トラブルが起こるメカニズムを知っていればその場でいくつか対応策が思いつくかと思います。
ラインが絡む
ラインが単体で絡むというのはラインが伸びて一直線になっておらず、何らかの原因で溜まったため発生します。
乾麺のそばやパスタは絡みませんが茹でる前のラーメンは絡むみたいな感じです。
ラインが溜まりやるいのはまずはガイド内。
ロッドのガイド内、特にリールからエンドガイドの間が最も溜まりやすくなります。
それはラインがリールから放出されて一番勢いがあるため。
さらにはエンドガイドと接触することでラインが一番最初に失速するためラインが溜まりやすくなります。
エアノットができる多くの原因、ポイントはここになります。
例えばロッドのガイド内に結束部が入っていたとします。
キャストする際にその結束コブがガイドにあたり、失速します。
リールから出てくるラインは失速しませんので渋滞が発生します。
完全に改善できるわけではありませんが失速と放出をある程度揃えることでこういった問題を回避することができます。
結束部はロッド内部に入れない
そうすることで通過するのはPEラインだけになるため均一に失速する様になります。
または結束部をリールまで入れて仕舞えばこちらもある程度均一に失速することになります。
ロッドの穂先よりに結束部がくる場合
この場合は渋滞をロッドの先端部で起こすためエアノットよりは穂先絡みに発展しやすくなります。
ベイトはバックラッシュという独特の問題がありますが
エアノットに関してはスピニングリールの方が圧倒的に起きやすくなります。
スピニングで糸を巻きすぎるのもこの現象を引き起こします。
規定量より多く巻かれたラインはキャスト時にずるっと脱落することがあります。
これが失速という段階とは違う渋滞、ダマを作るため秒速でエアノットとなります。
リールラインキャパ 1号300m
と書かれていても実際は300mは巻けないと考えて良いでしょう。
テンションをぎちぎちにかけてみちみちに入れた場合は入りますが普通に巻いただけでは10〜20mほど余ります。
勿体無い気もしますがトラブルよりはマシ
ちょっと少ないくらいがちょうど良いのです。
ラインの巻きすぎに注意しましょう。
ふわふわしたラインだと統制が取れず、各所に絡みやすくなったり、渋滞しやすくなります。
こういった点では硬いラインの方がエアノットはできにくくなります。
使い古されたPEラインはこういったリスクが増します。
定期的なラインの交換も予防となります。
リールに絡む
リールにラインが絡む要因はテンションがかかっていない状態でも巻取りによるものです。
着水からの巻き上げ時にふわふわしているラインを巻き取ったり、糸ふけが激しい状態での巻き取りで発生します。
近年のリールではこういったトラブルを予防する技術が搭載されているので幾分か発生を抑えることができています。
多くない例ですがリールの不良として発生する場合があります。
例えばベールが歪んでいたり、スプールの位置が悪いと予期せぬところにラインが巻き取られトラブルになります。
スプールに関してはシャフトに入れるワッシャーで調整することも可能です。
スピニングでラインを巻き取る際に上下どちらかにラインが偏る場合はワッシャーを入れる、または減らすことで綺麗に揃えることができます。
これを大きく逸脱するとトラブルになるわけです。
こういったリールの根本的問題もありますが、使い方を気をつけることである程度予防することが可能です。
ラインが切れる
ラインはいつどこで切れるかわかりません。
一番切れやすいのは結束部。
これは単純に、その部分の強度が最も弱いからです。
結束強度80%と言われれば強度を揃えたシステムなら20%弱いことになります。
また結ぶというのは技術ですので人によって、結ぶ環境によって強度は異なります。
結束方法がどれがいいか、というのは置いといて
ショックリーダー側を結ぶもの、コブにするものはガイド抜けが悪く
ガイドに接触し続けることで解けやすくなります。
ただこれは細いラインではあまり影響はなく、太いラインで起こりやすいものです。
太いラインを扱う釣りではFGノットかPRノットなのはこういった理由もあります。
PEラインにおいては強度は一定ではありません。
構造上強いところ、弱いところと出てしまうため販売表記に
Max何ポンド、平均何ポンドと書かれています。
全てのラインでこの通りではありませんが弱い箇所は使用していくと潰れていることがあります。
本来PEラインの断面は円ですが使っていくうちに潰れが発生します。
この潰れが耐久力を低下させ、突然の破断へとつながります。
根ズレをしていない、根掛かりを外そうとしたり、ファイトしたりとテンションを強くかけていないにも関わらずこういった現象は起こります。
これはなぜかというとリールの巻取りによりスプール内摩擦、圧力によるものです。
一巻き程度は軽いものかもしれませんがそれが重なるとどんどん重さを持ち、圧力となります。
これがラインを潰し、切れる原因にもなるのです。
この現象を踏まえるとPEラインを裏返すというのは強度上、新品に比べると大幅に低下している可能性があります。
潰れ、ねじれは目で見てわかることが多いので交換の一つに目安にしてください。
今回はライントラブルについてご紹介いたしました。
一つ一つは単純なものかもしれませんが多くの場合、複合したことでトラブルに発展しています。
1つの予防法では足りないことも多いので色々組み合わせておくのがおすすめです。
高いラインの方がトラブらない
安いラインはトラブりやすい
という意見も多くありますが使い方次第でどうにでもなります。
行き着くところ、好みのラインというものがあり、使いこなす様になるとトラブらなくなります。
最高のパートナーを見つけてください。