コロナの影響でアウトドアに注目が集まるようになりました。
理由は単純で屋内ではなく開放的な場所で行うアクティビティであること。
密になることは少ないから感染リスクも少ない。
確かに屋内で何かをするよりは圧倒的にリスクは少なくなります。
実際コロナが最も流行、危険視されていた時期
報告されている限りでは釣りでの集団感染といったものはわずかです。
釣りの中でも密になりやすい釣り船ですら感染者0ではないものの、そこを起点に爆発的に広がったことはありません。
また船長をはじめ従業員が感染したというケースもそう多くはありません。
屋外で風通しがいいというだけでやはり感染リスクを抑えることができたようです。
そういったイメージもあり、キャンプをはじめとするアウトドアが注目されるようになりました。
ではこれら業界がブームとなったのか、一大産業に発展したのか
と言われると実際そういうわけではありません。
今回は現在の釣り業界が直面している問題と将来性についてご紹介いたします。
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釣り業界が直面している問題と将来性
ブームというのは起こって持続するものはほとんどなく、
ブームが起こって衰退、そのまま薄れていく場合もあれば第二次、第三次とブームが来るものがあります。
おもちゃで言うと
ファービーといったものは一発屋ですが
ミニ四駆やポケモンは一定のレベルを維持しつつは何回もブームを起こしています。
ブームが消えていく多くの理由は単純に冷める、飽きていくといったものが自然の流れ。
または新しいテクノロジーが生まれたことで古き良きもの、レトロなものに一瞬でなってしまうのが今の時代です。
釣りブームはこれまで何回か起こりました。
ミニ四駆同様に定期的に人気の出るものです。
しかし他の何回も起こるブームとは異なり、第二次、第三次とブームが起こるたびに大きく環境が変化するジャンルです。
例えば平成に訪れたバス釣りブーム
これは産業を一気に大きくするものでした。
しかしブラックバスという外来種への見方が変わり、現時点でもう一度バス釣りブームを起こすのは難しいと言えます。
次に海釣り
海釣りは元々一定の釣り人がいます。
ブームが起こるとこちらも人が増えます。
人が増えたことで釣り場の問題、マナーについて問われることが増え、釣り場が閉鎖されていきます。
こうして釣り場が限られてくることで、使える釣り場に人が増え、そこでもトラブルとなり、また別の釣り場へと皺寄せが来るようになります。
結局近くで釣りできるところがない
それが連鎖していき、開放感を求めたはずがいつでも激混み
というのが現状です。
日本は海に囲まれている国ですが実際に釣りをできる場所はそのうちの一部でしかありません。
このマナー、トラブル問題から場所がなくなるというのは釣りに限ったことではありません。
キャンプも同様です。
またキャンプと釣りは場所が同じになることもあり、これがいい方向へ行けばいいのですが悪い方向となってしまう場合が多くあります。
ブームが来ても利益に繋がらない
釣りという産業の利益率はそこまで大きいものではありません。
一発一発で稼ぐというよりはこまめに多く売って利益を上げる業界です。
ロッドやリール、高価なものがありますが一度買ったらしばらくは買うことはありません。
ですが仕掛けや餌、消耗品は頻繁に買うものです。
これら消耗品、餌などを売るためには近くに釣り場があって頻繁に釣りに行ってもらうそしてその都度店に通ってもらう必要があります。
しかし現在、釣り場が少なくなっている、となるとなかなか頻繁に釣りに行かなくなってしまうことがあります。
釣り場が少なくなると他の問題も出てきます。
それは釣具店の縮小。
これまで地域根付いた釣具屋というものが多くありました。
そこではその地域に寄り添った商品、すぐに使える餌
そして釣り場情報を取り扱っていました。
しかし近くの釣り場がなくなってしまうと
極端に言えば辺境の地にある釣具屋になってしまいます。
わざわざ遠い釣具屋に行くか、と言われると当然行かないという方が多いでしょう。
このようにして以前は至る所にあった釣具屋が続々と閉店しています。
これは個人店だけではなく、大型店も同様です。
釣具屋が減る
ということはそこに卸す商品数が減ります。
つまり結果として釣具メーカーの販売数も減ることになります。
販売数が減ると生産数や営業も削減しなければなりません。
流通が以前より減ります。
そして流通が減ったことで一部地域を除き、レアな実用性のある商品というものが生まれます。
その商品をめぐり、転売問題が起こります。
最近では転売について否定的な意見が増え減少気味ですが
一時期一番儲けていたのは転売ヤーかもしれません。
実店舗が減ったことで現在はネットでの販売を伸ばす努力をしています。
ネット販売であれば人件費や店にかかる固定費を幾らか削減することができるので利益率を高くすることができます。
ただ実店舗と違い、お客様に手に取って見てもらうことができない
店頭で目立つように置く、特設コーナーを置くといった手法ができないので買う目的意識を持っていない方に売ることが難しくなります。
現在コロナで一時的に上向きになった釣り業界ですがこういった問題、それからの発展もあり下降傾向にあります。
初心者に優しくない釣り業界
釣りを始めよう!
と思った時、釣り業界ははっきりいって初心者に優しくありません。
近年ではYouTubeなどでやり方、結び方を学ぶことができるようになりました。
とはいえ釣り教室のようなものが多くあるわけではありません。
そして釣り場もどこに行っていいのか、
釣り禁止とは知らず、という問題も出てきます。
結局どこで何をしたらいいのかが分かりにくいのです。
それと釣れないとつまらないという根本的問題もあります。
スポーツのようにある程度練習すると楽しくなってくるものとは少々異なり
上手くなるのと釣れるのは必ずしも比例するものではありません。
ショアの場合、場所によってローカルルールやそういったコミュニティが存在します。
これの影響で新参者にはハードルが高すぎるということもあります。
釣り船ならどうか。
釣りをしていいかどうか、ポイントは合っているのか
という問題はなくなります。
ではどうやったらいいか
教えてもらえるのか
これに関しては釣り船によって大きく対応が異なります。
手取り足取り優しく教えてくれる釣り船もあれば
終始怒られる、罵倒される釣り船も少なくはありません。
最近では釣り船業界で接客が大きな問題、課題となっています。
漁師さん、船長からすれば普通のことでも一般の方からすると怖いと感じることも、不快に思うことも多くあります。
また船側の問題だけではありません。
釣り船には決して安くない金額を支払います。
なので客側がより良いサービスを期待しているというのもあります。
釣り以外で一万円近くする遊び
普通のものであればかなり良いサービスを受けることができるでしょう。
お互いに思うところが違う、求めるものが違うというのが今後の課題です。
ショア、オフショアともにとっつきにくいような状況となっているため、
釣り人口がなかなか増えない
初めて見たものの、敷居が高すぎてすぐにやめる
なので産業がやや衰退気味であると言われています。
年齢層を見てみると圧倒的に若い方が少なくなります。
そもそも車離れと言われているご時世、釣りでは車があった方が圧倒的にフットワークも軽くなります。
こういった面からも釣りに対して向かい風が吹いているのが現状です。
今回は釣り業界の抱える問題
そして将来性についてご紹介いたしました。
こうやって見てみると衰退産業なのか、と思うかもしれませんがAIにとって変わるようなものではないのでお先真っ暗というわけではありません。
ただ年々規制などが増えており、息苦しくなっているのは事実です。
今我々にできること
マナーを守って正しく釣りを楽しみましょう
これにつきます。