砂浜
それは魅惑のフィールド
無限の可能性を秘め
時に喜びを与え、我々を魅了する。
だが多くの場合、サーフから与えられるものは絶望である。
というわけで今回はサーフについてご紹介いたします。
遠浅サーフとドン深サーフでは何が違うのか。
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遠浅サーフとドン深サーフでは何が違うのか
地球には2種類のサーフしか存在しない
遠浅か
それ以外か
細かいことはありますが大きく分けで遠浅かドン深の2種類になります。
さらに細分化するとリーフ状、磯サーフ、ゴロタとなります。
今回はサーフの形状、地質ではなく、水深についてご紹介いたします。
日本において遠浅とドン深は大体同じ程度あります。
多くの場合
平地が続くエリアのサーフは遠浅
山岳地帯が近くにあるエリアではドン深サーフになります。
これはどのようにして陸地が形成されたのか
陸地が削られていったのか、というのが関係しています。
また遠浅サーフの砂の粒子は細かく
ドン深サーフの砂の粒子は荒い、砂利のようになります。
砂の元は岩、石です。
これが川から下る時に細かく粉砕、摩耗していきます。
なので平地であれば海まで行く距離が長いため、より細かくなって海にたどり着きます。
山岳地帯の川では高低差があるため流れが速くなりやすいですが距離は短いため、細かくなり切る前に海にたどり着きます。
言い換えると
砂地のサーフなら遠浅
砂利っぽいサーフならドン深と判断することができます。
ただし近年では砂浜が削られてしまったため、他のところから砂を入れている場合もあるので注意が必要です。
島であるリーフ系のサーフはまたこれとは違ったものになります。
まずはそれぞれの特徴についてご紹介いたします。
遠浅サーフ
遠浅サーフは遠くから波がたって押し寄せてくるのが特徴。
常に波が入ってくるような状況になりやすく、ブレイクや離岸流といったものが見えにくいことが多いでしょう。
一見波のせいでわかりにくいかもしれませんが波のおかげで判断できるものも多くあります。
強烈な離岸流の場合は、離岸流の場所だけ波が立たないことがあります。
またそういった波が立たないところは他の場所に比べると深くなっており、一直線状であればスリット形状であると考えられます。
離岸流とスリットはセットになることが多いのでそれを踏まえた攻め方をしてみるのがおすすめ。
スリットやブレイクにつく魚は基本的には上方向を向いてついています。
これは身を潜め、落ちてくる、流れてくる餌を待ち構えるためです。
離岸流が絡むスリットではブレイクラインが左右に発生します。
そのため魚の頭の向きも異なります。
正面を向いている場合もあれば、左右に向いていることもあるため
そのスリットに対して左右からのクロスを入れることで反応が変わることも多くあります。
波の立ち方では離岸流がわからない場合。
波打ち際を歩いてみると離岸流かどうか見分けることができます。
離岸流ではない波打ち際では波とともの砂が打ち寄せられて、堆積します。
そのためふかふかになります。
逆に離岸流なら砂は払い出し、削られていくため硬い締まった砂となります。
遠浅サーフでは
離岸流、ヨコヨブ、打ち寄せる波の流れで循環しています。
なので縦方向、ブレイクやサンドバー、そして今紹介した離岸流を通していく釣り
これは沖に遠投して巻いてくる、基本となる釣りです。
そして遠浅サーフではヨコヨブが重要になってきます。
ヨコヨブはさまざまなところで発生するものですが一番起こりやすいのは陸地から一番最初にあるブレイク
ここにヨコヨブが発生しやすくなります。
打ち寄せてきた波、その水の逃げ道としてヨコヨブが発生しやすくなります。
このブレイクが絡むヨコヨブにはベイトが溜まりやすく、大型魚の回遊ルートにもなります。
サーフで釣りをしていて意外と近くでヒットしたという経験はないでしょうか。
それはこのブレイクとヨコヨブによる効果だったのかもしれません。
隣に人がいない前提ですが波打ち際スレスレを真横に投げると意外と釣れます。
こういったこともあり、サーフで安易に立ちこむのは危険であり、ポイントを潰すことにもなります。
第一ブレイク、ヨコヨブは釣り人によって意外と潰されがちです。
遠浅サーフに限ったことではありませんが要素が複合するポイントに魚は溜まりやすくなります。
離岸流とヨコヨブの接合点、ブレイクという場合は丹念に探ってみましょう。
遠浅サーフはどちらかというと回遊待ちの釣りよりランガンしていった方が効率的です。
魚が動かないわけではないですが流れの循環が一定のため、溜まりやすいところ、溜まりにくいところというのが明確に出てきます。
ドン深サーフ
ドン深サーフは足元からストンと落ち、場所にもよりますがちょっと投げれば水深5m以上というサーフ。
サーフというよりは堤防や磯に近い性質を持っています。
そのため遠浅サーフとは異なり、波が立ちにくく一見穏やかに見えることが多いです。
しかし足元にあるブレイクで一気に波が立ち上がり、パワーもあるため遠浅サーフに比べると危険度が高くなります。
遊泳禁止とされるサーフはドン深サーフです。
遠浅サーフ同様、ブレイク、離岸流、ヨコヨブなど共通する要素を持っていますが見つけるのは難しくなります。
水深がある分、水面側や陸へ情報が伝わりにくいのです。
ただその反面、遠浅サーフ以上に潮通しが良くなるため、回遊を期待することができます。
特に青物、タチウオにおいてはドン深サーフの方が圧倒的に釣果を出しやすく、ドン深サーフのエリアではサーフからのショアジギングも盛んです。
傾向としてドン深サーフをメインとするルアーメーカーのシンキングペンシルはボトムの取りやすさを優先し
遠浅サーフをメインとするルアーメーカーのシンペンはフォールによる誘いに重点が置かれていたりします。
ドン深サーフの攻略法
離岸流などが見つかればそこを攻略するのは遠浅と同じですがそれらが見つからない場合
ドン深サーフは潮が動いていれば基本的に右か左、どちらかに流れています。
魚は流れに逆らって泳ぐ性質があるため、その方向に合わせてルアーを通すのが一番ヒット率が高くなります。
ダウンクロスと呼ばれるものです。
河川においてはアップクロスからのドリフトという手法もありますが川のような激流があるという場合以外ではあまり気にしなくていいかと思います。
数投に一度アップにも入れて反応を見てもいいかもしれません。
水深もあるため、レンジを刻むことも重要になってきます。
これはシーバスや青物を狙うのと同じようにローテーションするのがおすすめです。
ドン深サーフでは確認できないポイントが多くなりますが一番わかりやすく可能性が高いのは波打ち際のブレイクです。
ルアーを急いで回収しがちですが最後までしっかり巻くことが大切になってきます。
そのブレイクに潜んでいたり、そのブレイクを最終地点として追い込んでくる場合があります。
今回は遠浅サーフとドン深サーフについてご紹介しました。
使うルアーに関しては同じもので基本的には通用します。
が、強いていうなら
遠浅サーフではスローで巻いてもボトムをすらないルアー。
水深がない分、スローで巻くとボトムを擦りやすいのでミノーや立ち上がりのいいシンペンがおすすめです。
ドン深サーフでは逆に水深がある、流れが強くなることがあるのでしっかりとボトムが取れる、極端に言えばメタルジグのようなものがあるといいでしょう。
それぞれのエリアの傾向というものがあるのでそれに合わせたルアーを使ってみてください。