釣れ然なるままに written by 小泉 貴久

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なぜ秋はよく釣れる時期なのか

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食欲の秋

みのりの秋

スポーツの秋

芸術の秋

性欲の秋

 

そして釣りの秋

 

 

とにかく色々とハイシーズンを迎えるのが秋です。

 

夏という過酷な環境から快適な環境へ

冬という過酷な環境への前準備としていろいろなものが最盛期を迎えます。

 

 

釣りでは多くの魚が春と秋がハイシーズンとなります。

なのでいろいろな魚を狙うアングラーは繁忙期となるでしょう。

 

 

今回は生物的に考える秋がハイシーズンになる理由についてご紹介いたします。

 

 

この記事の内容はYouTubeでご覧いただけます。

 

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なぜ秋はよく釣れる時期なのか



スポーツの秋

芸術の秋

 

というのは気候が快適になることで色々と捗りますよね

ということが主な理由です。

 

 

食欲の秋に関しては人間も魚も冬に備えての蓄え

植物においては冬には枯れてしまうので秋に実る、みのりの秋を生物がその恩恵を受けているものであると言えます。

 

 

人間をはじめ、哺乳類では秋になると日照時間が減少していくと

セロトニンの分泌量が減るため食欲が増すと言われています。

 

人間は体内のセロトニンが減少するとトリプトファンという栄養素を欲します。

トリプトファンは主に肉や乳製品といった動物性タンパク質からしか摂取できない

それを補うために食欲が増すということが明らかになっています。

 

それと寒さに耐えるために脂肪を蓄え始めることもあり、太りやすくなるわけです。

 

 

脂肪を蓄えるのは人間だけではありません。

寒さを乗り越えるために脂肪を蓄える魚も食欲の秋

 

脂肪を蓄える目的ではなく産卵に向けた魚も栄養を蓄えようとするため食欲の秋。

 

このように多くの魚が年間の中で多くのカロリーを必要とするため釣りハイシーズンとなるわけです。

 

 

春においても冬からの回復期に当たりますので秋と似たようなことになりますが傾向が違うため秋の方が有利になることが多いです。

 



 

春より秋が良い理由

厳しい冬

魚によっては温暖な地域に移動し、快適に冬を過ごす魚もいますが移動できない魚も多くいます。

 

 

その場合は極力水温の変化が少ない深場でじっとして、無駄なカロリーを消費しないように日々を過ごしています。

 

 

じわじわと冬の中で痩せていくことになりますが、春になればそれを回復させるために活動するようになります。

また水温も上がってくるため活動しやすくもなります。

 

ただ冬から春では魚自体も体力が低下して本調子ではないため、活性が高いとはいえ秋ほどの活性はない魚がほとんどです。

 

 

そのため動きの鈍い餌、小型の餌を中心につまんでいくような時期が続きます。



これから良い環境になっていくため、産卵を控えている魚でなければ必要以上にカロリーを摂ろうとする訳ではないようです。

 

 

餌についても生まれたばかりの稚魚が多く、捕食に苦労しないという点も釣りに影響しています。

秋になればこれらの餌も遊泳力をつけるため追う必要が出てきます。

 

餌も大型になりますが産卵を控えてカロリーが必要になる魚は効率的に餌を捕食するようになります。

シーバスにおいては落ち鮎やコノシロといった一発食えば高カロリーみたいな魚を狙うようにもなります。

 

 

こういったこともありルアーにおいては秋の方が釣りやすい時期といえます。

 

 

 

冬産卵する理由

様々な魚が真冬から春にかけて産卵します。

 

 

シーバス、青物では地域にもよりますが年末から3月くらいにかけて産卵します。

そのためこの時期に釣れる魚は卵を抱えている丸い個体

コンディションのいい個体もいれば産卵を終えたがりがりの個体も出てきます。

 

 

魚によって理由は異なりますがこのように冬に産卵する理由としては

 

卵が低水温でないと耐えられない

卵は低水温状態で活性を抑えることで効率よく発育でき、春に孵化することで餌を万全の状態で捕食できる

低水温期では天敵も少ない

 

などの理由があるそうです。

 

 

また人間の男のキンタマが体からぶら下がっているのはなぜかご存知でしょうか。

急所剥き出しでブラ盛っているのは生物的に設計ミスのようにも思えます。

 

この理由としては体内においておくと精子が体温に耐えられないため、冷却のために体外にそのゴールデンボールをおいているとされています。

 

 

寒い、冷たいというのは生きる上では不快というか厳しい環境ですが冷凍保存的な効果が求められるところでもあります。

 

 

 

卵から孵化、稚魚の視点においてはこのように発育環境が整いやすい、タイミングがいい

という点が挙げられます。

 

 

産む側の成魚についても冬に産む方が都合が良いこともあります。

 

 

産む産まないどちらにせよ冬を越さねばなりません。

そのためには脂肪や体力を蓄える必要があります。

 

どのみち体力を蓄えなければならない

そして冬はカロリーを節約して過ごさなければ、安静にしなければならないのであればついでに産卵すれば効率的ではないか

 

という研究結果があります。

 

 

先ほどの話に戻ると餌となるベイトに関しても春に生まれたものが秋には大きくなり、ハイカロリーな存在となります。

 

 

なので春に生まれた方がいいのと秋に支度をした方がいいのはお互いに理にかなっており、循環しているのです。

いやイタチごっこなのかもしれません。

 

 

もちろん魚によってはこの春と秋の循環からずれているものもいます。

 

 

潮の動き

潮に関して夏は日中に大きく潮が動き、冬や夜に潮が大きく動きます。

 

春と秋はその中間となるので昼と夜どちらも均等に潮が動くような時期です。

 

 

となると魚種にもよりますが釣りをする上ではデイゲームでも釣れますし、ナイトゲームでも釣れる時期です。

 

春と秋は1日24時間としてみれば時合となる時間が長い可能性が出てきます。

 

プランクトンの動きから小魚の動き、それを食べるフィッシュイーターの動きとバランスがいいのが春と秋です。

 

 

言い換えれば

バチくそ暑い夏の日中に潮が最も動く

バチくそ寒い冬の夜間に潮が最も動く

 

というのは矛盾にも感じます。

 

ただこれは地上の気温は変動が激しいですが海水温はそこまで昼と夜の差は出ないので魚にはあまり関係ない話。

釣りをする人間としては過酷な環境です。

 

 

 

 

ここで一つお願いです

近年減少傾向の魚が多くいます

小さい魚が釣れた場合、大きい個体でも卵を持っている場合

可能であれば資源保護のご協力をお願いたします。

 

カサゴをはじめ根魚類の減少は特に著しいものとなっています。

 

制限、禁漁時期がある魚もいます。

地域によっては放流している魚

 

また識別タグがついている個体もいます。

 

そう言った魚を釣られた際にはお手数ではございますが各団体へご連絡いただけますと幸いです。

 

指定外来種においては各自治体の方針に従ってください。