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四方を海に囲まれた美しい島国日本。
しかし地震大国としても世界的に有名です。
日本全国どこでも大地震が起こる可能性があり、
海に囲まれた日本は津波による被害も甚大です。
釣りをしている最中、地震に襲われたらどうすればいいのでしょうか。
今回は釣り中に大地震に襲われた時の対処法、過去の事例の避難データについてご紹介いたします。
釣り中に大地震に襲われたら
日本では大きく分けて陸地で起こる地震と海で起こる地震に分けられます。
内陸で起こる地震で有名なのは1995年に起きた阪神淡路大震災。
陸地で起こる地震の多くはマグニチュードは7クラス程度ですが震源が浅いため震源の直上付近は激しく揺れることになります。
体験者の話では突き上げられて揺れるというよりは弾むという印象が強かったそうです。
海側で起こる地震
プレートが沈み込むことで発生する歪みで起こる地震。
こちらは内陸の地震に比べるとマグニチュード8、さらには9とより強力なものになります。
ただ日本から距離があるため震度としては大きくならないこともあります。
しかし海側の震源となるため巨大な津波が発生する可能性があり、対して揺れない
震源が遠くても油断できない地震です。
また津波に関しては近くで地震を感じなくても遥か遠方から津波が押し寄せることがあります。
こういった場合は通信手段がなければ津波の接近を知ることができません。
近い将来、南海トラフ地震が起こると予想されています。
首都直下型地震の懸念もありますが言ってしまえばいつどこで起きてもおかしくないのが日本の現状です。
それでは釣りをしていて地震に襲われたらどうするべきかご紹介いたします。
地震発生時
地震発生時、どのようなところで釣りをしているかにもよりますが多くの釣り場は地震で揺れている最中は安全な場所が多いといえます。
地震による犠牲者の死因割合では
一位は建物の倒壊や落下物によるもの。
頭部損傷、内臓損傷、頸部損傷、窒息、外傷性ショックなどによるものです。
そして2位は火災。
3位は溺死。これは津波によるものです。
東日本大震災以前は倒壊などによる死亡と火災による死亡が多くの割合を占めていました。
これは阪神淡路大震災、関東大震災の被害者が多かったためです。
しかし東日本大震災では津波の被害が甚大で国土交通省が発行する
国土交通白書によると東日本大震災での死因一位は溺死
現在総合では溺死は2位となっています。
近くに崖や構造物がないオープンな釣り場であれば揺れに対しては安全です。
しかし背後に崖がある磯、テトラといった場合は安全ではありません。
立ち位置によってはその場にしゃがみ込むと危険となるため揺れている中でも移動する必要があります。
強い揺れで動けないという場合もありますが人は何かを感じると静止することが多くあります。
また子供の時の訓練経験から机の下に潜る意識を持っています。
机の下に潜るのは屋内で家具程度の転倒、落下への備えであり、屋外の机程度で防げないようなものでは全く効果はありません。
崖の場合は離れられるなら離れる
テトラならなるべく上に登る、崩れて挟まれたり海に落ちるのを避けなければなりません。
しかし揺れでテトラの隙間に落下するリスクもあります。
最善を瞬時に判断し行動するというかなり難しい場面と言えます。
他には堤防でも転落の危険が潜んでいます。
堤防は建築物に比べると老朽化が激しいところが多く、現在しっかりとした安全検査が行われていないところも多く存在します。
そのため強い揺れによる崩落
ひび割れ、陥没が起こる可能性があります。
落下物がなくても足場の不安というのが釣り場にはあります。
揺れの後
揺れた後、震源の位置によっては津波が押し寄せてきます。
先日発生した令和6年能登半島地震では地震発生から最短で2分で津波が到来したと言われています。
場合によっては逃げることすら難しいと言えるでしょう。
津波が発生した場合、原則高台に避難することになります。
とはいえ海の近くに高台があるか、と言われるとないことも多い。
全国的に海岸線には防潮堤や津波避難タワーが建設されています。
しかしどこにでもあるわけではありません。
内閣府の集計によると津波避難タワーは427棟と言われています。
タワー以外では歩道橋が津波避難施設として利用できる場合もあります。
釣りに行く際にどういったものがあるか把握しておくと良いでしょう。
平野部の海では津波が到来した際、津波避難タワーに登るべきか
可能な限り奥へ逃げるべきか悩むかもしれません。
津波避難タワーは海のそばにあるため想定を超える高さの津波の場合、助かりません。
また津波が継続的にくる場合や引き波時に必ずしも安全というわけでもありません。
2度逃げができないという最大のデメリットがあります。
内陸に逃げる場合は徒歩で行くべきか。
車を拾うべきか。
東日本大震災以前では政府、自治体の発行する防災マニュアルにおいて
車による避難は原則として禁止するものとする
ただし時間的に余裕があるとされる遠方の津波の場合は特例として車による避難を禁止する必要はないと定められていました。
そしてその後、強い縛りはなくなり
原則徒歩での避難とする、となり
東日本大震災以降は
津波から避難するためやむを得ない場合を除き、避難のために車を使用しないこととされています。
現時点でのマニュアルでは津波から逃げるためであれば車を使って避難することは問題ありません。
高台に登るのか
歩いて内陸を深く進むのか
道路状況がわからないが車で進むのか
この選択を迫られます。
また内閣府、気象庁、総務省消防庁が行った避難行動に関する調査では
東日本大震災において車で避難した人は全体の57パーセント。
その理由として
車で避難しないと間に合わないと思った
安全な場所まで車出ないといけないと思った
家族で避難しようと思った
という安全上の理由もありましたが
車に乗っていたからそのまま乗って避難した
平常時移動は車なので車に乗って避難した
という理由も同等に見受けられました。
国土交通省の調べによる平均避難速度は
徒歩では時速2.65km
自転車時速5.95km
車 時速8.78km
となっています。
東日本大震災時の車での避難の障害では
1位が渋滞
2位が地震による道路の被害や瓦礫などの障害
信号機が止まったことが原因で起こる渋滞も多かったようです。
避難時の装備
避難する際、原則釣具は放棄とされています。
しかし安全上必要であるフローティングベストは外す必要はないかと私は考えます。
様々な意見がありますがフローティングベストは動きにくいから避難の妨げになるため外すべき、という声も少なくはありません。
ただもしもの時に身を守るもの
可能性は高くはないかもしれませんが津波に飲まれても生き残ることができるかもしれません。
また体を保護するクッション材として役立つこともあります。
フローティングベストの中に入っている小物も非常時には非常に便利なものです。
マルチツールやホイッスル、ライトは入れておいて損はないでしょう。
また結束で使うライターも災害時には非常に便利なものです。
釣りで使う道具は防災グッズでもあるので自宅にいるときに震災に遭っても役立ちます。
日頃の点検怠らず、備えましょう。
釣りをされている方のほとんどはすでにお分かりかと存じますが地震によって
津波によっては釣りをしていたら助からないということが考えられます。
ただ常日頃、釣りに行きつつここならどうするかなど意識しておくだけで実際に起こった時の行動が変わることでしょう。
海の防災情報は各自治体のホームページで確認することができます。
避難場所や津波避難施設について知ることができます。