釣りをはじめとする自然を相手にする遊びではどうしても危険が伴います。
生きる上で交通事故など避けるものができないことがありますが自然界ではそのようなものに遭遇する可能性より圧倒的に多くなります。
これは自然という中では人間はアウェイな存在であるから。
社会生活では人間が安全快適に暮らしやすいように整っている反面、自然においては自然というものが大半を掌握しています。
我々が自然の中でできることは自然に立ち向かう、のではなく
自然が猛威を振るうことを予測し、備え、逃げるということ。
それでいてもやはり一定数死亡事故が発生しています。
この動画では釣りに潜む危険、留意しなければらないポイント
データから見る釣りにおける事故についてご紹介いたします。
なおこの記事の内容はYouTubeでもご覧いただけます。
【釣りの危険性】統計から見る釣り人が死ぬ理由
釣りは手軽なものから相当にきついものまで幅広くあります。
手軽なものほど、文明によって守られながら釣りをすることができ
ガチなものほど自然の脅威に晒されることになります。
手軽なものは安心して釣りができる
死なない、というわけではなくそれでもやはり一定数の事故率が存在します。
ただ、例えば釣り公園のように柵が設けられている、監視員がいるといった面から見ればただの防波堤やサーフ、磯よりは安全と言えるでしょう。
この動画では何回も言うことになりますが過信は禁物です。
車を運転する時、事故を起こせば自分が死ぬかもしれませんし、人を殺めてしまうかもしれません。
釣りは決してリラックスして行うものではなく、一定の警戒と緊張感が必要になります。
そのような配慮をしながら釣りを楽しみましょう。
危険な釣りランキング
ここでざっくりですが釣り危険ランキングをご紹介します。
釣りで一番危険と言われているのが
磯でのヒラスズキ
これは言うまでもなくサラシを必要とするため悪天候が必須条件です。
その上、ただでさえ危険な磯での釣りですので言うまでもなく危険が危ないです。
ただ統計としてみれば死亡数は全体の数%程度しかありません。
その理由としてはアングラーの数がさほど多くないということが挙げられます。
死亡数が少なくても危険であることに変わりはありません。
次に危険なのが磯でのフカセ、カゴ釣り
また磯です。磯は危険なところです。
こちらもヒラスズキに似ている要素がありますが死亡例が多くある釣りです。
その理由としてはこの釣りの人口が多いと言うこと。
そしてヒラスズキとは違ってランガンできるスタイルではなく、バッカンやクーラーといったものが置いてあるため、それを気にして避難、退避が遅れると言うことが挙げられます。
気持ち的に波が上がってきた時、ルアーマンなら少し上に行くことが多いかもしれませんが足元にあるバッカンが流されないようにと踏みとどまってしまい流されてしまうという事故が発生します。
渡船を使った沖磯の場合は渡船屋の判断があるため比較的安全ではありますが地磯その場合は自己判断となるため、こういった事故が起きやすくなります。
後ほど紹介致しますが釣りにおける死亡例の多くは転落からの溺死、行方不明です。
続いては防波堤
一見安全そうな防波堤ですが年間通してかなりの死者を出しています。
フカセと同じようにこの釣りの人口が多いという事も関係しています。
防波堤における事故死の多くはライフジャケット未着用による溺死と行方不明です。
釣れると評判の防波堤は潮通しがいいという特徴があります。
潮通しがいい反面、落ちると防波堤際で起こる海流で沈んでいったり、沖へと流される
または突然の、たった一回の大波で攫われるということがあります。
現在ではこういった要素を多く含む防波堤では立ち入り禁止などの措置が取られているところが多く存在します。
立ち入り禁止の堤防は堤防を使用する業務の面と安全上の問題があると考えてください。
海の事故の内訳
海上保安庁のデータによると令和3年ではマリンレジャー活動での死亡、行方不明を含む人身事故数は585件
そのうち35%202人と最多となるのが釣りです。
その次に21%で遊泳中の事故
他には船の事故やサーフィンとありますが4%磯遊びというものもあります。
磯では複雑な地形によって波の予測が難しいため事故に至るケースが多いと言われてます。
事故状況
少し古い統計データですが10年分の事故状況をご紹介いたします。
釣りで起こる全体のうち、一番多いのが海中へ転落。
海に落ちるだけか、と思うかもしれませんがこれは即死する可能性もあります。
例えば真冬の海に転落すればショック死となる事も考えられます。
落ちる場所によっては転落死、際に発生している渦潮のようなもので海中へ引き摺り込まれる
波で磯や防波堤に叩きつけられるということが起こります。
そして転落の次に多いのが帰還不能
干潮時に渡ったら潮が上がってきたら帰れなくなった
また釣りすぎてクーラーが重くなり帰れなくなった
この中には転落して流されたというのも含まれています。
また渡船をした際に急な悪天候で船をつけることができず、帰れなくなると言う事例も意外と多くあります。
ほとんどの事故が転落によりもので、そこから派生していきます。
溺水という事故も多くあります。
これは転落と似ているところではありますが溺水の場合は自分で海に入った結果溺れると言うこと。
例えば道具を海に落としてしまった、
魚をランディングする際に海に入ったといったものです。
このデータ時は2002年から2011年
ライフジャケット着用率は平均で18.8パーセントとなっております。
ライフジャケットを着用することで死亡率が半分になるとも言われています。
海中転落事故での死者のライフジャケット着用率は平均して11.3%。
言い換えればライフジャケットをつけてないために死亡したということになります。
先ほどの転落事故においてもライフジャケットの必要性がわかるかと思います。
死亡事故の多くは溺死ですので浮くことが重要であると言えます。
釣りという大自然で行う活動は清々しいもので日常を忘れさせてくれるひとときです。
しかしその自然は常に人間の味方とは限らず、油断できない場所と思うことが大切です。
今回ご紹介したデータから見るに転落事故、溺水が多く、さらにその多くがライフジャケット未着用となっていました。
これからも安全に留意して釣りを楽しんでください。