釣れ然なるままに written by 小泉 貴久

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魚は餌やベイトばかり食べて腹一杯にならないのか

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魚の食欲がバグりすぎる

 

魚には満腹という感覚はあるのか。

そう考えたことはありませんか? 

 

金魚や鯉を見てみると人に慣れていればいつでも餌を求めてきます。

 

釣りにおいては例えばコマセを使用する釣りなら多くの釣り人がコマセを投入し、それで腹一杯になることはないのか。

 

ナブラやベイトの塊でボイルしているなら、それを食って腹一杯にならないのか。

と疑問を持ったことがあるはずです。

 

 

満腹になる、つまり低活性になる

とするならベイトはいない、ナブラも起こらない

空腹の魚の回遊を待つのがいいように思えます。

 

しかしそれもまた効率のいい釣りではありません。

 

今回は魚は餌やベイトばかり食べて腹一杯にならないのか

これらがもたらす釣りへの影響についてご紹介いたします。

 

 

この記事の内容はYouTubeでご覧いただけます。

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魚は餌やベイトばかり食べて腹一杯にならないのか



まず結論から申し上げますと満腹中枢といったものがあるのか

現時点では定かではありません。

 

魚に痛覚があるのか、という議論があり意見が分かれています。

これと同じく満腹中枢に関してもどちらの可能性もあるため、明確に答えが出ていません。

 

 

鯉など一部の魚は胃袋がなく、食道から直接腸へつながっています。

そのため食い溜めができず、常に餌を補給しなければなりません。

 

これが鯉がいつでも餌を欲しがっている理由です。

 

とはいえ大型の錦鯉クラスであれば10日ほど絶食が可能と言われています。

 

 

他の多くの魚には胃袋が存在します。

しかし満腹中枢があるのかは不明。

どちらかといえば満腹中枢はないという意見が多いのが現状です。

 

そのため釣りにおいて大きく不利になることはなく、釣ることができています。

 

 

それではどういった現象が起きているのか見ていきましょう。

 

 

物理的満腹

魚に満腹中枢がない

という説が有力視されています。

 

その理由としては吐くまでドカ食いする魚が多いということ。

 

 

例えば市場、スーパーで売られているフィッシュイーターを見てみると口からベイトが飛び出していることがよくあります。

特にシイラはよく口から何か出ています。



 

口から出ているベイトは捕食された手のものもあれば喉あたりでつっかえているものがあります。

喉あたりでつっかえているベイトというのは餅が喉に詰まったのとは違い、食道、胃袋にすでにベイトがびっしり入っており、これ以上入らないため渋滞を引き起こしている状況です。

 

 

明らかに満腹

人間であれば食べ過ぎによる嘔吐状態になりますがそれでも貪欲に食い続けるため満腹中枢がないと思われています。

 

 

また故意かどうかは定かではありませんがその喉につっかえたベイトを吐くこともあります。

吐いた後はまた捕食を開始します。

 

 

もしかすると満腹かどうか、満腹になるという目的ではなく本能的に狩猟行為を行っているのかもしれません。

 

 

少なくとも満腹状態と空腹状態で同じ条件下、同じ活性度であれば空腹の方が深いバイトになることが予想されます。

ですが満腹かどうかに関わらず、ある程度は釣ることができるでしょう。

 

 

胃袋や腹のキャパ

今ご紹介したように、食い続けて限界が来ると吐く。

 

中には満腹になると活性が下がる人間のようなタイプの魚もいます。

 

現在の研究では魚種によって異なるそうですが吐きにくいタイプの魚は満腹でキャパを超えると落ち着くものがいます。

 

 

逆に食べ続けるような魚はよく吐く魚と比べ腹周りが柔らかく、簡単に体型が変わってしまうような魚です。

 

例えば青物やフラットフィッシュは食べまくっても急速にそのフォルムは変わりません。

 

 

しかしシーバス、根魚、太刀魚に関しては食いまくった後は腹が出ています。

コンディションがいい魚、と腹が出ている魚がいます。

 

コンディションがいい魚では卵を持っているのか、食いまくった後で腹が出ているのか見分けがつきません。

メタボ体系になるタイプの魚たちです。

 

 



 

 

口に入れれば胃に入るわけではない

我々人間は口に含んだものは特別な理由、用途がない限り食道を通り、胃に落ちます。

 

しかし魚においては口に入ったら必ず胃に入るわけではありません。

 

 

それは水流の影響だったり、落ち着いた状態で捕食しておらず慌ただしい中、口からポロリしてしまうことも多くあります。

口に入ったら口を確実に閉じれる、すぐに飲み込めるというわけではありません。

 

食っているように見えて魚は結構、いやかなりこぼしています。

なので餌がいっぱいあったとしても早々満腹になることはありません。

 

茶碗にご飯は入っているがこぼしまくっているので口に入ったのは茶碗の中にあったものの70パーセント程度みたいな感じです。

 

餌を圧縮する

魚、餌によっては強烈に胃のなかで圧縮するタイプもいます。

 

まるで布団圧縮のようです。

 

 

これが多く見られるのはアミえび、オキアミを食べる魚たち。

特にフカセ釣りで釣れたメジナやクロダイの腹を見てみるとびっしり、超高密度にコマセの粉が入っています。

 

これは釣りを開始してまだそこまで餌が撒かれていない時に釣れた魚と

数時間餌を撒き続けた後に釣れた魚ではその胃のなかの圧縮度が全然異なります。

 

コマセの粉が圧縮されるのは容易に想像できますがアミエビ、オキアミもガッツリ圧縮されます。

 

消化が早いわけではないので胃の働き、圧縮する動きが活発なのがわかります。

 

これと同じくアジ、イワシといった回遊魚もこういった傾向にあります。

メジナ、クロダイに比べると小さいのでややわかりにくいですが胃袋の中を見てみるとぎっちり餌が詰まっています。

 

 

 

フィッシュイーターでは小さいベイトを捕食している場合

腹を開けてみると綺麗に同じ向きでベイトが収納されています。

圧縮はされていませんが無駄なスペースがなく綺麗に収まっています。

 

これに関しては先ほど紹介した口に入ったらからといって胃に入るわけではないという点。

綺麗に整列できないものは入らないようになっているのでしょう。

 

 

小魚を食べる魚の場合、割と早い段階で消化が始まります。

そのため少しずつではありますが内容量に空きができ、袋詰め放題のように追加することが可能になります。

 

 

魚の頭の向きですが魚種によって傾向というのもみることができます。

 

ベイトを尻から好んで食うタイプもいれば、頭から食うタイプがいます。

多くの魚はベイトを頭から食う傾向にあります。

これはペンギンなども同様に頭からくったほうが引っかからないためです。

 

ただ魚VS魚の場合は捕食に余裕があるわけではないので均一の向きで食えるとは限りません。

運が悪いと口からポロリすることになります。

 

 

余談ですがアジのぜいごは捕食を免れるための装備らしいです。

 

 

餌取り

フカセ釣りの天敵、最大の難関とも言える餌取り。

 

基本はコマセワークで餌取りを交わすのですが力押しする説もあります。

 

 

それは大量のコマセを使って餌取りを腹一杯にして活性を下げるという方法。

 

 

 

コマセや餌を投入してまず初めによってくるのは餌取りです。

なのでドカドカとコマセを突っ込んでいれば餌取りが優先的に食べることになります。

 

そうすると腹一杯になった餌取りの動きは鈍くなり、本命に刺し餌が届きやすくなるというものです。

 

 

ただこれには問題もあってコマセが大量に必要になるという点

腹一杯といっても割と短時間で復帰してくるという点があります。

 

 

餌取りの数によっては必要になるコマセの量も多くなりコスパがいいものではありません。

 

 

 

 

 

今回は魚の満腹についてご紹介いたしました。

現時点の研究では詳しくわかっていませんが満腹が釣りにもたらす影響はあまり大きいものではないようです。

 

どちらかといえばそこに魚がいる、回遊してくる、活性が高い方が重要になります。

 

狙う魚の多くは鯉とは違い、常に補給を必要としているわけではありません。

 

 

ちなみに大型の魚になればなるほど、満腹という概念から遠くなります。

その理由はそもそも餌のサイズ、数からして簡単に満たされるものではない。

 

消費カロリーが激しいから食っても食っても常に腹が減る。

マグロやカツオはこういったタイプです。

 

 

 

人間は満腹中枢がある生物ですがこの満腹中枢はタイムラグがあり、バグりやすいので注意しましょう。