万能ルアー
メタルジグ
鉛の塊であるにもかかわらず、ルアー界最強の汎用性を誇る代物です。
無人島にルアー一つ持って行くならミノーかメタルジグ
と言われているかはわかりませんがメタルジグ1つでなんでも釣ることが可能です。
汎用性の高いメタルジグですが細分化されており、形状、バランスの違いで種類が豊富。
時にどのタイプのメタルジグがいいのか迷ってしまうことがあるかもしれません。
今回はメタルジグの種類と選び方についてご紹介いたします。
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メタルジグの種類と選び方
メタルジグはその名の通り、金属の塊。
メタルジグの原型は1800年代に登場し、木のボディを銅板で覆ったものでハスケルのメタルジグと言われています。
現在のメタルジグは鉛、タングステン、鉄、アルミ、スズが使われています。
耐久性、コスト面から鉛が主流ですが
飛距離を出す、小型化するならタングステン
独特の動きを出す、環境にやさしい鉄
重さを変えずにシルエットを大きくしフォールに特化したアルミ
とそれぞれ特徴を持っています。
材質に関して解説してしまうと長くなってしまうので
今回は主にメタルジグの形状という観点からご紹介いたします。
メタルジグの種類
メタルジグはざっくり3パターンに分けることができます。
巻いて使えるタイプ
これがスタンダードなものです
キレのあるアクションを出せるタイプ
ジャークなどアングラー側での操作が必要になるもの。
細長いものが一般的です。
フォール重視
フォールに特化させたスロータイプのジグ。
リーフタイプとも呼ばれ短く平べったいものです。
一番最初に紹介した巻いて使えるタイプはオールラウンドなものでアクションタイプ、フォールタイプとしても使うことができます。
特殊になりますが泳ぎに特化したものもあります。
バイブレーション、シンキングペンシルといった要素を含んだタイプです。
このようにどんなアクションをしたいのか、でタイプを絞ることができます。
魚によっては高速ジャークでは反応しない、フォール重視の方がいい
またはただ巻きが良い
ジャークでなければならないなどなどあります。
理想としては反応がない時も当然考えられますので何種類か持っていき、正解を探すのが良いでしょう。
飛距離の違い
メタルジグは形状によって飛距離が異なります。
フォールタイプの薄く平べったいジグは飛距離が出にくく・・・
といってもプラグよりは飛びます。
ジャーク特化などの細長いジグ
極端に言えばオフショアで使うようなジグは飛行姿勢を安定させるのがむずがしいので飛ばしにくくなります。
が撃投ジグは細長い形状のジグですが飛ぶことで有名です。
これは絶妙な形状、重心によるものです。
スタンダードタイプ
ずんぐりむっくり肉厚短いジグ
これが最も飛びやすいタイプになります。
空気抵抗や重心のぶれを起こりにくくすることで安定した飛距離を出すことができます。
ナス型オモリ単体がよく飛ぶのと同じような感じです。
短いジグであればあまり重心の位置は関係ありませんが長い場合はリアに重心がある方が飛距離が出やすくなります。
ですが先ほど紹介した撃投ジグ、これはフロント重心のものもありますがよく飛びます。
フロント重心で長い場合はキャストするとジグのリアがくるくると回転してしまうことがあります。
こうなると抵抗が強くなるため飛距離が落ちるようになってきます。
キャストが上手い、ロッドなどタックルがいい場合はある程度こういった問題を抑えることができます。
飛距離を確実に出す、というのであれば小型で重さのあるものがおすすめです。
売られている飛距離重視と書かれているジグの多くは小型で空気抵抗の少ない
タングステンという場合が多くなります。
魚による使い分け
メタルジグの種類と魚の相性というものがあります。
例えば高速でキレのあるジャーク、ダートを得意とするメタルジグは青物が好みます。
例外としてサワラは浮袋がないため縦方向の高速ジャークではついてこないこともあります。
高速ジャークではついてこれないシーバス、根魚には向いていません。
スタンダードタイプはどの場面、どの魚でも使うことができます。
操作次第でどのタイプにもなることが可能です。
ただ特化しているわけではないので不具合となることもあります。
例えば高速ジャークをした場合
専用ジグに比べるとフォールが遅くなるので高速、連続ジャークをすると浮かび上がりすぎるという問題があります。
また水の中の抵抗やフォールといった点から高速ジャークするとテーリングを起こしやすくなるものもあります。
当然巻きも重くなります。
通常速度のジャークやただ巻きはとにかく強く、簡単にレンジキープすることが可能です。
シーバス、タチウオといった割と巻きで食う魚に有効なタイプ
そしてこれらの魚はフォールでも食うので巻き、軽いジャークで誘ってフォールで食わせるといったこともできるジグとなっています。
ボトムを叩いたり、フォールで狙う場合
例えば根魚や反応がボトムに集中している時にはフォール重視のボトムタイプの出番です。
適度な速度でひらひらとフォールするため、ワームに近い使い方ができます。
根魚はもちろん、太刀魚にも非常に効果的なジグです。
ボトムを丁寧に叩くことができるのですが当然根がかりのリスクも高くなります。
また水深に対して軽すぎる場合は底取りが難しいこともあります。
青物は基本的にはスタンダードか細長いジャーク特化型
シーバス、太刀魚はスタンダードかフォール特化型
反応がボトム、食いが渋い、根魚はフォール特化型
がおすすめです。
ジグの重心
ジグの重心は
センターバランス
フロントバランス
リアバランスとあります。
基本的には左右対称ですがまれに左右非対称で歪んでいるようなジグもあります。
着底や陸にぶつけて歪んでしまったジグが超釣れるということもあるから面白いところです。
重心はアクション、特にフォールに大きな変化を与えます。
ジグの真ん中に重心がくるセンターバランスはフォール時にひらひらと
フロント、リアが入れ替わりながらフォールしていきます。
アピール力も強く、程度な時間があるので扱いやすいタイプです。
最も多いタイプの重心となっています。
ちなみにジグのフォールはずっとこのアクションでボトムまで落ちて行くわけではなく、テンションを抜いた時にひらひらして、しばらくすると海底にスーッと落ちていきます。
次にフロントバランス
フロントに重心があると頭から真っ逆様に落ちて行くような気がしますが実際はラインのテンションがあるため水平状態を維持したままフォールしていきます。
ルアーでもよくある前進しながらローリングフォールと同じような感じです。
水平フォール、と書かれているジグの多くはこのフロントバランスとなっています。
弱った小魚はこのような姿勢で沈んでいくため、こういった場面では効果の高いタイプのジグとなります。
キャストにおいてはフロントに重心があることでリアが軽くなり、回転して飛距離が出にくいという場合もあります。
ただキャスト、タックルによってこれらを克服することも可能です。
最後にリアバランス
リアバランスは真っ直ぐと落ちて行くためフォール速度が早いのが特徴です。
ボトムを取りたい
フォールではなく、テンポよくジャークで誘いたいという場合にはリアバランスがおすすめ。
高速でフォールしますがただ巻きをすると大きくゆっくりとしたアクションになります。
逆にフロント重心はリアをしっかり振るようなアクションです。
リアに重心があることで飛行姿勢が安定し、飛距離を出すことができます。
今回はメタルジグの種類と選び方についてご紹介しました。
形状、タイプ、重心
どんな魚を狙うのか、またはどんなフィールドなのか
現在メタルジグは細分化されており、特化したものは条件が合えば爆発的釣果を叩き出します。
基本にスタンダードタイプ、センターバランスとして特化型を補填して行くというのがバランスのいい組み方かと個人的には思います。
ジャーク、フォールに関しては技術でかなり差が出るものです。
メタルジグは万能ルアーではありますが操作が難しいものでもあります。
今どの棚を通しているのか
どんな動きをしているのか
どうすればいいのか
と悩んでしまうことも多いかと思いますがやって行くうちにきっとわかってくるはずです。
メタルジグの操作方法について、よろしければこちらの動画をご覧ください。