釣れ然なるままに written by 小泉 貴久

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ルアーが演出すべきは弱った魚か、いきのいい逃げ惑う魚か

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今回はルアーは弱った魚を演出すべきなのか

いきのいい魚を演出すべきなのかご紹介いたします。

 

 

 

ルアーが演出すべきは弱った魚か、いきのいい逃げ惑う魚か

ルアーについて現在の生物学では憶測に過ぎないものが多い。

 

結局のところ、人のイメージが最も頼れるものになっています。

良くも悪くも想像力が求められます。

 

傾向としてカラーでいえば自然界にありうるナチュラル系カラーの方が売れ

ルアーのフォルムに関しても餌っぽい形のものの方が売れます。

 

俗にいう釣り人がよく釣れるカラーというものですが釣り人だけではなく、しっかり魚も釣れている事実があります。

 

魚の色彩感覚、視力はある程度研究が進められていますがそれが捕食に対してどう働くのかは解明されておらず、今後脳科学の分野と合わせたものが期待されます。

 

 

 

さてルアーのカラーについては様々な意見がありますが

そもそもルアーは何を目指すのが理想的なのか。

 

捕食される餌はいきのいい逃げ惑う小魚もあれば

弱って今にも死にそうな魚もいます。

 

ルアーはこのどちらを目指すべきなのか。

これについて考えてみようと思います。

 

弱った魚

自然界は過酷で省エネで効率のいい行動が常に求められています。

 

そのため多くの生物は効率的な狩りといったものを長年の間で学習し、遺伝情報として本能的に備えています。

 

効率的に餌を食うという観点では

追う必要がない、手間と時間がかからないものを優先することが多くあります。

 

 

例えば魚を含めた動物では餌となる群れを追い回しますが

中でも負傷したり、弱って動きが鈍いものは真っ先に狙われます。

これは他のものに比べると追い回す手間が省けるというのはいうまでもありません。



 

ただ中には群れの中で弱ったものが外傷性ではなく病気によって弱っているものがあります。

これが仮にも感染症だった場合、捕食してしまうと移ることも考えられます。

 

生物の中ではこういった病気を検知する能力を持ったものがおり、

現在その能力を活かして人間の治療にも活用され始めています。

 

例えばがんの早期発見もこの技術を取り入れようと研究が進められています。

 

 

生物の病気ですが食べてしまうと感染するものも一部ありますが多くの場合、実は無害だったりします。

生物は基本的に同族間での感染は起こりやすいのですが多種族への影響は少ない。

稀に鳥インフルエンザ、狂牛病など種族を超えてウィルスが変異し、感染するものもありますが多くの場合、感染しません。

 

仮にも感染してしまうとしたら食物連鎖の頂点に立つものは大きなリスクが伴い、まともに生きていくのは難しくなるでしょう。

 

 

 

話がそれましたが群れの中で弱ったものを狙うのは基本です。

そのためルアーも弱った魚を演出する、というものが多くあります。

 

その反対にいきのいい魚を演出するものもあります。

それではいきのいい魚はどういった見え方なのかご紹介します。

 

 

いきのいい魚

弱った魚とは真逆に勢いよく泳ぐ魚。

 

ルアーで言えばぶりぶり高速で泳ぐものやトゥイッチなど機敏に動くものがこれに当たります。

 

いきのいい魚を好んで食う代表例は青物。

といってもベイトの群れの中で最もいきのいいものを選んで追跡して食う戦闘狂のサイヤ人みたいな感じではなく、

青物は群れで追い込み漁をするためある程度の速度で泳ぎ回っています。



そのため相対速度としてある程度速度を持っているベイトの方が食べやすくなってきます。

中には口を開けっぱなしで突っ込んでいるカービーみたいなやつもいるかもしれませんが基本的には追尾して、見極めて食います。

 

もちろん常にこの限りではなく、ボトム付近にいる低活性時は弱った魚を演出したジグのフォールの方が釣れることもあります。

 

 

青物を例に挙げましたが相対速度として考えて食いやすいものがあり、それに合わせる必要があると考えられます。

 

マグロのナブラを見ているとわかりますが高速で泳ぐマグロでもイワシやしらすナブラに入る際は割とゆっくりとした泳ぎをします。

このようにある程度餌の速度に合わせる動きは見られます。

 

その中でもルアーが合わせられた泳ぎから大きく外れる場合は捕食の対象ではなくなると考えられます。

 

 

またトゥイッチなどのアクションはリアクションバイトを誘う。

見切られるのを防ぐ役割

そしてアピール力を出す役割があります。

 

リアクションバイトとは一種の反射行動みたいなもので脳ではなく、脊髄で反応しているのではと言われています。

 

 

いきのいい魚の演出と単発のトゥイッチ

これはイコールというわけではなく、瀕死の魚もピクつくため弱った魚の演出でもあると言えます。

 

 

生き餌の場合

泳がせ釣りで使う餌はいきのいいものを使うのが基本です。

 

弱ってきたら餌を変えないといけません。

 

 

であるならルアーで弱った魚の演出は不要ではないか、と思われるかもしれませんがいき餌には独特の機能が備わっています。

 

それが救難信号というもの。

 

 

群れで動く魚はなんらかの救難信号を出すと言われています。

この信号により群れを集めてフォーメーションを組んだり、どさくさに紛れて逃げるようにするという意見もありますが

味方に脅威を知らせ、「私に構わず先に行け」状態になるとも言われています。

 

 

 

 

小魚の発するこの信号は同じ群れ、同種族だけではなくフィッシュイーターにも検知されている、というのが現在研究で明らかになっています。

 

 

生き餌は天敵がいるかどうかの前に人間によってとらわれているため、投入した時点でエマージェンシーです。

これがコマセのような集魚効果を持ち、本命となる魚を呼んでくれます。

 

生き餌が弱ってしまうとこの信号も弱まるため、釣れていない場合は餌を変えてより強い信号を出してもらう必要があります。

ということは釣れている状態や魚探に反応がある場合は弱った餌でも釣れる可能性があるということになります。

 

 

また先ほど紹介した病気を見分ける能力という観点から餌となって弱っている餌から違和感が出て食わないということもあるそうです。

 

 

 

 

弱った方がいい場合、いきがいい方がいい場合

結局のところ、どっちがいいのかというはその場面と魚に合わせるのが重要になってきます。

 

 

例えばヒラスズキの場合

ヒラスズキはサラシの下に隠れてサラシでもみくちゃになって遊泳力が皆無になった魚を狙って食います。

サラシの中でいきのいい魚は違和感、またはいくらヒラスズキとは言えサラシの中を追いかけるほど強くはないため好まれるものではありません。

 

シーバスにおいては落ち鮎パターンでは弱った魚の演出がマストになります。

落ち鮎においてはシーバスは楽して高カロリーなものを食べにきていますのでそこで小型で活発なやつが出てくると割に合わなくなります。

 

 

 

青物に関してはナブラの状態や活性の状況で都度好みが変わってきますのでハマらない時にはとことんハマらず苦戦します。

 

ヒラメの気まぐれはもう異次元です。

素早く頭上を通過するものがいいこともあれば、ボトムを這いつくばうもの

ワームなんかは放置してるだけで食うこともあります。

 

またはリフトアンドフォールでフラフラしたものがいいことも。

 

一番難しいかもしれません。

 

 

 

今回はルアーは何を演出すればいいのかについてご紹介いたしました。

魚は観客、視聴者

我々釣り人は演出家といったところでしょう。

 

魚を観察して、何なら楽しめるのか

これまでの経験からどういった傾向にあるのか色々な角度から考える必要があります。