海底の忍者と言われるヒラメ。
砂浜に目を向けた時、その視界のどこかに必ずヒラメはいます。
しかしどこにいるのか、いつ釣れるのかというのは熟練したアングラーでもなかなか読み切れるものではありません。
身近にいるが意外と遠い存在であるヒラメ。
今回はヒラメの生態から考える、いつ、どこで釣れるのかについてご紹介いたします。
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【ヒラメの生態】いつ、どこで釣れるのか
ヒラメは砂浜であればどこにでもいそうなイメージがあるかもしれません。
確かにその通り、砂浜にはどこにでもいます。
砂浜以外でも意外と磯や堤防といった人工物の多いエリアにも生息しており、身近な存在です。
ですが狙ってみると釣れない
ここってヒラメ釣れるんですか?ヒラメいるんですか?
と思うようなところも多くあります。
例えば真冬の水温が低い時期
ヒラメは沖合水深100mくらいのところにいて冬を越します。
エリアにもよりますが1月〜3月あたりです。
この時期なら砂浜にあまりヒラメはいないかもしれません。
しかし4月から12月には逆にいないところを見つける方が難しい、というくらい分布している魚です。
ただ皆様もご存知の通り、海底に張り付き擬態したり、潜っているため人間の技術を駆使しても正確な実態を知ることは難しいとされています。
ヒラメがいることはわかっている
でも釣れない、いつ釣れる?というのはヒラメの生態を知ることで少しはわかるようになる、かもしれません。
それではヒラメの生態をご紹介いたします。
ヒラメの生態
ヒラメは孵化した後、しばらくは成長が早い魚です。
生まれて1年ほどで30cm程度となり、ソゲと言われるサイズになります。
ソゲと言われるサイズがよく釣れるのは生後1年、かなりの数がいるためだと思われます。
余談ですが生まれたてのヒラメは左右対称に目がついています。
体長10mm前後で目が移動し始め、あの姿に至ります。
3年経つと40cm〜50cm
5年で60cm〜70cmくらいに成長します。
以前よりヒラメは肉食性と知られてはいましたがルアー、特にプラグで釣るようになったのは割と最近の話です。
ヒラメは完全な夜行性とまでは言えませんが夜間に積極的に捕食活動を行います。
日中は海底に隠れて捕食のタイミングを伺っています。
捕食の仕方というのが完全に解明されているわけではありませんが、
一部わかっており、それを釣りではどう捉えるのかというのが重要になってきます。
ヒラメの捕食活動
ヒラメはテリトリーを持つタイプの魚。
逆にテリトリーを持たない魚というのは青物のように泳ぎ回ったり、餌を追いかけるタイプの魚です。
ヒラメは日中も夜間も一定のテリトリーを持っており、その範囲で捕食活動を行うという研究結果が発表されました。
そのテリトリーは常に同じではなく、回遊してきてそこでテリトリーを展開するといった形だそうです。
日中はそのテリトリーに侵入した餌にアタック。
この時に餌から自分が見えないように砂の色になったり、潜ったりしています。
夜間においてはテリトリーの中を回遊
そして侵入してきた魚を捕食する、ということもありますがメインは視界の悪い中で動きの鈍い、寝ている魚を襲うことが多いそうです。
寝ている魚は潮流に流されることもあり、それを待ち構えています。
つまり潮が動くタイミングはチャンスかもしれないということです。
今回重要なのがテリトリーというもの。
これがどこで展開されやすいのか、というのが分かればある程度ポイントが絞れてくるはず。
海底でも潮が動く、通るところ
ほとんどの魚に言えることですが潮通しがいい、潮が動いている方がいい
これはヒラメも当てはまります。
潮が動いた方がいい理由はいろいろありますがプランクトンが流されてきて、それを食う小魚がきてという食物連鎖の場合
潮が動くことでエラ呼吸がしやすいというのが代表的です。
ただヒラメの場合、他の魚と比較すると若干異なるのが生息域
多くの魚は表層から中層に生息しています。
ボトム張り付きだと根魚やハゼ、フラットフィッシュとなります。
潮が動いていても、実はボトムは動いていない
底潮が動かないということが結構あります。
潮通しがいいポイント、大潮において
ぱっと見、ルアーを入れた感じ潮が動いている
と思っても底は動いていないということがあります。
ここがヒラメがいるかどうか、というので騙されやすい点です。
底潮が動いているかどうかはルアーをボトムにつければわかるのでやってて反応がない、という場合は底潮を確認してみてください。
河口付近では潮の流れ、影響関係なく川の水が流れ込んでくるため、比較的底潮が常に動く傾向にあります。
そのためサーフにある河口は一級ポイントとなります。
離岸流といった要素も含めてサーフでは上潮は流れるが底潮は全く動いていないというポイントもあるので注意が必要です。
底潮が動いていればヒラメの活性も上がり、ベイトの供給が多くなります。
時間的にはいつ釣れるのか
ヒラメはテリトリーを持つ魚。
まず第一条件としてそのテリトリーにルアーを侵入させる必要があります。
テリトリーにルアーが入ったからといって必ずしも食ってくるわけではありません。
夜の場合はテリトリーの中を泳ぎ、寝ている魚を中心に食べているとされています。
夜、ヒラメは底に張り付いて隠れていないため、日中よりは貪欲に餌を追いかけてきそうな感じもしますが実はそういうわけではないようです。
寝ている魚を襲っている
それは捕食するにあたり消費カロリーが少なくて済むから。
逆に逃げ惑う魚を追いかけるのは消費カロリーが大きくなります。
こういった捕食に特化しているのが青物ですがヒラメは省エネタイプです。
そのため夜は割とスローな動きの方が釣れる傾向にあります。
ただワームをつけて置いておくといった場合だと匂いがついていない限り気づいてもらえないのである程度は波動を出す必要があり、ミノーなのかシンペンなのか悩ましいところです。
流れてくるような魚を演出します。
夜、釣れる可能性が高いのが潮止まり直前、潮の動き出しといった変化のあるタイミング。
潮の入れ替えで酸素量や水温が変動するのでそれが良い方向へ転べばチャンスとなります。
また潮の流れに乗せてルアーをふらつかせるのも合理的です。
日中においてはヒラメは隠れており、ほとんど動かないと言われています。
ですが身をひそめてチャンスがあれば積極的に捕食します。
目の前を通りがかった餌、だけではなく水深2mくらいであれば食い上がることもあるほどです。
日中のタイミングはやはり朝夕マズメのタイミング。
昼行動と夜行動が混じっていることに加え、海全体の活性が上がり
ローライトでルアーを誤魔化しやすくなります。
また諸説ありますが夜間の捕食をメインとするヒラメは腹が減るのか
昼前後の潮の動くタイミングで大きく移動、捕食するとも言われています。
夜間も同じでしたが潮が動く、止まるタイミングは重要です。
ヒラメの回遊
ヒラメは大きな群れを形成する魚ではありません。
そのためいっぺんに移動し、一ヶ所に溜まることはなくまばらに生息します。
回遊するタイミングは先ほど紹介した潮の止まる、動く時間
またベイトの塊が大きく移動する際にそれに合わせて移動するとも言われています。
フィッシュイーター全般に言えることですがヒラメもベイトに依存します。
といってもヒラメの回遊率はシーバス、クロダイに比べても少ないのでもしランガンできるのであればランガンする方が釣れる可能性が上がるでしょう。
その際、重視するのは底潮が動いているか、という点
離岸流があると釣れやすいことに違いはありませんが稀に上潮だけの離岸流というものも存在します。
ルアーをボトムに入れて引いてみると上より軽い、となれば底潮は動いていません。
今回はヒラメの生態、いつ、どこで釣れるのかという内容をご紹介いたしました。
そこらへんにいるが釣れないのがヒラメ
底にいて隠れて無敵そうなヒラメですが天敵はカニです。
まだよくわかっていないことも多い魚、そして近年減少傾向にある魚でもあります。
各自治体、団体が放流活動を行っております。
今後のためにも小さいヒラメのリリースのご協力、よろしくお願いいたします。