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アジは日本人にとって、馴染み深い魚である。
君は、アジのいない日本を想像できるだろうか?
食卓に寄り添い、彩り、味わい深い酒の肴となる――アジなだけに。
そんなアジの生態は、まだ多くが知られていない。
そして、その暮らしを知ることは、釣りにも大きなヒントを与えてくれる。
今回は、アジの知られざる生態と、釣り人のための視点でその魅力をご紹介いたします。
アジの生態①:どんな魚なのか
アジ――多くの場合「アジ」と呼ばれるのはマアジのことを指します。
日本の沿岸に広く分布し、春から秋にかけては浅場に、冬には深場へ移動する回遊魚です。
彼らは青物タイプの回遊魚であるため、釣りでは強烈な引きを味わうことができます。アジなだけに。
体長は20〜30cmほどで、最大で50cm近くになる個体も。
普段は数十匹〜数百匹の群れで行動し、仲間同士の距離を保ちながら泳ぐのが特徴です。
この群れでの行動が、釣りにも大きな影響を与えています。
「一匹釣れたら群れがいる」という法則の背景もここにあります。
アジの生態②.5:群れでの行動と“側線”の働き
アジは群れでぶつからずに移動できます。
その秘密は「側線」という感覚器官にあります。
体の側面に走るこの器官は、水の流れや周囲の動きを察知できる“水中のレーダー”。
視界が効かない夜間や濁りの中でも、仲間との距離を保てるのはこのおかげ。
この感覚は釣りにも影響し、不自然な動きや水の抵抗を感じると見切られてしまうと言われています。
逆に言えば、違和感のない動きであれば口を使いやすいということ。
もしくはあえて“波動を出さない”という戦略も有効です。
アジの生態②:活動時間と回遊パターン
アジは夜に活発になりますが、完全な夜行性ではありません。
日中は中層〜深場、夜は表層でエサを探すという行動パターン。
このため夜釣りがメインとなるアジング。
一方でサビキ釣りは朝夕マズメが基本。
アジは潮の流れにも敏感で、潮通しの良い場所や、潮が緩む場所に集まる傾向があります。
朝マズメ・夕マズメなど、光の変化が活性に影響するのも特徴。
アジの生態③:何を食べているのか
アジは小魚・甲殻類・プランクトンなどを捕食する肉食魚です。
若い個体は動物性プランクトンが中心で、成長するとより大きなエサに移行。
主に視覚で獲物を探すため、わずかな光が届く環境の方が活性が高くなると言われています。
ナイトゲームでは常夜灯周りにベイトが集まりやすく、アジングの好ポイントになります。
アジの生態④:警戒心と行動パターン
アジは警戒心が強く、音や光に敏感。
しかし群れでいるときはその警戒心が薄れ、連鎖反応で次々釣れることがあります。
ここで登場するのが――
奇跡のアホ「ダチョウ」との共通点
脳がくるみサイズのダチョウは、記憶力が壊滅的。
自分の影に驚き、パニックになり、1羽が走れば全員が走り出す…
アジも群れで反応が伝播しやすいという点で、この“時合い”を逃さないことが重要です。
釣りに活かす!アジの生態から導く実践テクニック
テクニック①:時間帯は“マズメ”と“夜”
朝マズメ・夕マズメ・夜が