アブガルシアのエントリー向けベイトリール「Max X EZCast」。
最大の特徴は、ほぼバックラッシュしないという安心感。
しかも実売価格7,000円前後と非常に手が出しやすい。
ただし、安さと引き換えに犠牲になっている部分もある。
以下、実際に使用して感じたメリットとデメリットを整理する。
メリット
● バックラッシュしない
通常のベイトリールにありがちなバックラッシュが、ほとんど起きない。
構造的に常時強めのブレーキがかかっているような感じになり、
ルアーが空中で失速してもラインが暴れにくい。
初心者やベイトに苦手意識がある人に特におすすめ。
● 圧倒的なコスパ
7,000円台という価格でこのトラブルレス性能。
ちょい投げや短時間釣行のサブ機、入門用としても最適。
とりあえずで買う、今後続けるかはわからないという場合には最適。
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ブレーキ構造の詳細
Max X EZCastのブレーキシステム
- メインブレーキは固定式マグネットブレーキ。外部ダイヤルはなく、内部のマグネットが一定の制動力を与える構造。ワンタッチで調整はできない。改造に近いことをする必要がある。
- アンチバックラッシュフラップ機構がスプールに物理的な制動を加える。
磁力+物理のハイブリッド構造で、バックラッシュを抑制。
デメリット
● ブレーキ調整ができない
外部からの細かなブレーキ設定が不可能。状況に応じた微調整ができず、セッティングの自由度は低い。
● メカニカルブレーキが甘い
メカニカルの設定がそこまで細かくできない。
また強く締め込むこともできないので割とゆるいと感じるかも。
無理なく締めたらゼロポジくらいな感じ。
● 飛距離が出にくい
常に強めのブレーキが効いているため、飛距離は短め。
ラインの質によると思うが飛距離を求めてはいけない。
注意点:このリールに慣れすぎると危険かも?
EZCastに慣れると、他のベイトリールに持ち替えた際にバックラッシュ耐性が落ちる可能性がある。
安全設計すぎるがゆえの落とし穴にも注意したい。
総評
- バックラッシュしない代わりに、飛距離や自由な調整は犠牲になっている
- 入門用・サブ機としては非常に優秀
- 構造を理解すれば、ちょっとしたカスタムも楽しめる
価格以上の価値は確かにあるが、「万能リール」とは言えない。
目的と用途を見極めて選ぶ一台としておすすめ。
例えば穴撃ちとかバックラできないような場面、キャスト動作に慣れるまでの間とか。
そういった面で考えると非常にいいリール。
ただ前述したように、安心感ゆえにサミングをしなくなりそこの技術面が劣る可能性がある。
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