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間も無く待望の釣りシーズン到来。
とはいえ多くの釣り人にオフシーズンはなく、今も寒さと闘っている方も多いのではないでしょうか。
春になると多くの魚の活性が上がり、秋と並んで釣りやすい季節と言えます。
そしてもちろん皆様大好きな青物のシーズンもやってきます。
青物の引きには強烈な中毒性があり、一度ハマってしまうと抜け出すことはできません。
おそらく、一般的にはおいしく食べる青物ですが釣り人においては食べることよりつることのほうが重要である、と言えます。
青物だけではありませんが1番のチャンスタイムは朝まずめ、そして夕まずめ。
潮の動きだしや止まる前などにチャンスが訪れることが多くあります。
ただ他の魚とちょっとだけ異なる、というか違和感を感じたことはありませんか。
青物は朝まずめ夕まずめ釣れることに変わりありませんが空が深い紫になるレベルのローライトではあまり釣れず、ちゃんと明るくなってから釣れることが多い。
青物は時差出勤してきます。
これはいったいなぜでしょうか。
今回は青物は夜は釣れず朝夕のローライトでもあまり釣れない理由についてご紹介いたします。
青物は夜は釣れず朝夕のローライトでもあまり釣れない理由
シーバスやメバルといった魚は夜行性でもあり、昼行性でもある。
正確にはそれぞれ定義がありますが場所と行動パターンを知っていれば昼でも夜でも釣ることができます。
しかし青物においては夜釣りというのがほとんどなく、デイゲームしか選択肢がないといっても過言ではありません。
これは青物の性質によるものです。
青物は昼行性の魚。
そもそも魚の視力は良いものではありません。
となると暗い中で見えるというのは特殊な場合であり、ほとんどの魚は
ただでさえ見えないのに暗くなるとさらに見えなくなると言えます。
人間も同じ感覚を持ち合わせていますが見えないところでは警戒心が高まる
または無闇に動かないようになります。
青物において泳ぐ速度が速いため見えない状態で早く動くのは天敵のリスクもありますが衝突といった問題も発生します。
魚には側線という器官があり、これが水流などの情報を捉え障害物や仲間の位置などを把握するわけではありますが
絶対的信頼がおける感覚というよりは視覚や聴覚、嗅覚などと合わせて最大限の効果を発揮するといったものです。
このように夜にはリスクが多くなるため活発に行動しなくなるのが青物です。
それでは具体的にローライトの時間帯はあまり釣れない
なぜ時差出勤してくるのかご紹介いたします。
暗いうちに釣れるのは
青物は絶対に暗いうちに釣れない、というわけではありません。
釣れる場所というものがあります。
そもそも青物はショア圏内のシャローエリアに定住していることはかなり稀です。
基本的には一定の水深のあるエリアに生息しており、それが餌を求めて接岸してくるわけです。
一定の水深とは地域によって異なり20m程度のところもあれば100mくらいになるところもあります。
また時期によってはその定住している場所を離れ、黒潮などに乗り大きく移動することもあります。
全国的にごく一部、本当に少ないところですが夜のジギング船があります。
それはその定住地を狙う釣りです。
またこちらもかなり稀な例ではありますがなんらかの条件
例えば水深や潮の流れ、ベイトの供給量、常夜灯など様々な要素が備わっているショアで夜でも釣れるというところがあります。
夜釣れる堤防や磯は本当に珍しいです。
基本的には青物は夜狙うのは難しいと言えます。
青物の通勤
青物はその定住地から餌を求めて接岸します。
先ほどご紹介したように明るくなってしっかり見えるようになってからでないと活発に動きません。
なので薄暗い段階で動き始めるため、この時間帯はまだ沖の定住先にいることになります。
オフショアで狙う場合は薄暗くなった途端に活発になり、一気に釣れ始めます。
どこに接岸するかによりますが通勤時間的なものがあり、ローライト時には移動中、
明るくなってやっとショアに到着といった流れです。
これを考えるとローライトの時点で釣れるショアは定住地がその近くにある可能性があります。
青物の巣が近い、ということは今後も釣れる可能性が高いかもしれません。
ただ、全ての青物が絶対に夜に深場に戻るわけではなく、深夜徘徊したり
迷子になっていることもあるので確証があるわけではありません。
夕方においてはローライトになった頃には帰路につき始めている可能性があります。
なのでショア圏内からは姿を消し、ベイトがいたとしても代わりにシーバスやヒラスズキ、フラットフィッシュといったものが釣れるようになります。
青物は狙っておらず、シーバス、ヒラスズキ、フラットフィッシュに絞りたいという場合は夜を絡めつつローライトが最大の狙い目とも言えるでしょう。
回遊
完全に解明されているわけではありませんが青物が接岸し、回遊する行動は一定の習性があるのではといわれております。
例えばベースキャンプアルファがあったとします。
その近辺のショアポイントA ,B,Cがあったとします。
ベースキャンプから出撃する青物はABC全てに分散していくということはなく
Aに入ってB、Cと回る傾向にあるといわれています。
これは当然と言えば当然ですが群れで行動するためこのような偏りが発生します。
さらにその近くにベースキャンプガンマがあったとします。
ここの群れもポイントABCのどこかに向かいます。
これがベースキャンプアルファと被ることもあれば被らないこともあります。
被らない場合はそのエリアは青物好調と言われ全てがAに集結した場合はAで爆釣
または情報が出回らないかもしれません。
話を戻してローライト時に移動してAに入り、そこからB Cと移動する場合
朝まずめと言われる時間を過ぎてからが本番というのが青物では珍しくありません。
よく言えば可能性のある時間が長いことになりますが悪く言えばいつ釣れるかわからない、いつ帰っていいかわからない相手でもあります。
さらに潮の動きが、と考えれば1日いなければなりません。
ですがよく釣る人というのはこのように執念の如く釣り場に張り付いており、
そこから得た情報、経験からより研ぎ澄まされた釣行プランを生み出しているというわけです。
いかがでしたでしょうか。
多くの場合、ローライトの時間帯はお住まいの地域からの移動、帰宅中の場合が多いとされています。
この理論で言えばショア圏内と定住地の間でローライト時間に待ち伏せていれば釣れるのでは、と思うかもしれません。
これに関して多くの漁師の方、釣り船の船長が言うには朝は釣れるが夕方は微妙とのこと。
夜に活発に動かない青物は朝には極限の空腹状態であると思われるため
餌さえあれば所構わずくうのかもしれません。
逆に夕方は安全上の問題もあり早めに帰還、そして十分に食べたためあまり興味が出ないのかもしれません。
最後に余談ですが青物の胃のキャパの関係で小型の青物ほど何を食うかにもよりますが満腹度が速いため活性が一気に落ちる。
しかし大型の青物は簡単には満腹にならず、さらにはかなりのエネルギーを使って移動するため常に一定の活性度を保っていると言われています。
腹を満たすために餌を探し回るがそのため腹が減ると言うなんとも言えない循環です。