冬本番
多くの釣りはオフシーズンとなる時期ですが狙うものや場所によっては寒い冬でも釣ることができます。
寒い!と感じていてもそれはあくまで地上の話。
地上は軽く0度を下回りますが海はそうではありません。
冬に一番活性が下がっているのは我々人間なのかもしれません。
今回は寒い冬でも釣れる魚、釣れる可能性が高いポイントはどういったところなのか
魚の適水温について解説いたします。
この動画の内容はYouTubeでご覧いただけます。
【魚の適水温】寒い冬でも釣れる魚、釣れる場所
魚は自分で温度調節をすることができない変温動物です。
なので活性は水温によって左右されることになります。
近年の研究ではサメやマグロを主とする35種類が恒温性を持つと確認されました。
ですが基本的に釣る魚は変温動物であると言えるでしょう。
今回は冬の寒い状況を主に解説いたしますが、夏場水温が高くなる場合でも魚の活性が著しく低下します。
潮通しの悪いシャローエリアの海水温はお湯のようになるところもあり、こうなると例外を除き魚は活動するのが難しくなります。
魚は水温に非常に敏感です。
水温が0.5度下がれば活性は大幅に低下。
逆に0.5度上昇すれば活性は上がります。
しかし一気に3度上がると活性は下がります。
今回紹介する寒い冬でも釣れるポイントの見つけかたは水温が他より0.5度高いところを見つけることが重要になってきます。
冬でも釣れる魚と適水温
まず魚の適水温についてご紹介します。
論文などによって多少前後はありますが大体はこのようになります。
クロダイ・・・13℃〜23℃
メジナ・・・12℃〜26℃
スズキ・・・14℃〜18℃
キス・・・18℃〜24℃
アジ・・・16℃〜26℃
カレイ・・・10℃〜17℃
メバル・・・10℃〜22℃
タチウオ・・・18℃〜23℃
カサゴ・・・13℃〜18℃
アイナメ・・・8℃〜15℃
ヒラメ・・・15℃〜23℃
マゴチ・・・20℃〜22℃
カンパチ、ヒラマサ、ブリ・・・20℃〜30℃(詳しくは解明されてません)
適水温と紹介しておりますがこの一番低い値の時はほとんど活性が低いと考えていいでしょう。
例えばシーバスの場合
水温が14度でガンガン餌を追いかけているか、と言われるとそうではないような気がします。
バチ抜けでもバンバンナブラのようになるわけではありません。
メジナも最低12度となっていますが15度を下回るとかなり渋い状況です。
冬に釣れる魚、低水温に強い魚は
ヒラメ
スズキ
クロダイ
メジナ
メバル
アイナメ
カサゴ
カレイ
といったところでしょうか。
このラインナップから根魚は冬に強そうですが
アカハタやオオモンハタは18度以上でないと活発に活動しません。
冬に釣れなくなる致命的な条件
ただでさえ釣れない冬。
条件によっては絶望的な状況になることもあります。
その一つは寒気を帯びた強風。
地域にもよりますが北からの強風は水温を下げる原因となります。
特に水深のないシャローエリアでは表層からボトムまでしっかり冷やしてしまいます。
水深が10mを超えてくると表層は冷たくなるが下まで冷気が伝わらないということもあります。
とはいえシャローエリアでキンキンに冷えた水が沖へ払い出していくのでショア圏内は難しいかもしれません。
水温以外にも風は濁りにも影響を与えます。
濁りを嫌う魚からすれば好機ですが多くの魚が濁りがあった方が釣りやすいとされています。
冬になると透明度が上がります。
これは寒くなることでプランクトンの量が減るため。
他にも太平洋側では北風が強く吹き続けるため海面にいた濁りのもとであるプランクトンが沖へ流され、深層の澄んだ海水が上がってくるためと言われてきます。
濁りがあった方が釣れる魚は冬は厳しいかもしれません。
が、これは後ほどご紹介いたしますがナイトゲームでは有利になることもあります。
次に大雪
ちらつく雪自体は雨と変わりませんのでそこまで水温に大きな影響を与えません。
しかし大雪、特に山の方で起こる大雪は河川、河口付近で大幅に水温を低下させます。
一級河川など長い川の場合、こちらでは雪の影響は全くなく、他人事のように思えてもその川の上流が大雪だとキンキンに冷えた水が流れてきます。
寒い冬でも釣れるポイント
最重要となってくるのは0.1度でも水温が高いところを探すという点。
移動可能な範囲であれば魚はなるべく暖かいところへ移動します。
人間でいうところのストーブによったり、夏であれば日陰を歩くような感じです。
水温が少しでも高いポイントは
黒潮など温暖な潮。
これは地域や日によって遠い、近いとあります。
もし近づいてきた時にはチャンスです。
こういった黒潮、海水温の動きはネットで検索すると出てきますので参考にしてみてください。
次に温排水があるところ。
これは工業地帯、発電所がある地域です。
工業用排水は海水温より高いことが多いのでそこに魚が溜まっていることが多い。
場所によっては温排水周りで独自の生態系ができているところもあります。
例えば東京湾の温排水では一年中メッキ・・・が成長してGTが釣れるとか。
温排水というのは排水溝ピンポイントというわけではなく、その近くの潮通しが悪いところはその影響を受けて他よりも平均的に上がっていることがあります。
次にシャローエリア
先ほど紹介しましたが風がふくと水温がどんどん下がってしまいます。
シャローエリアは水量が少ないため影響を全体で受けやすくなります。
逆にいえば晴れている日は日光で海水が温まりやすいといえます。
例えばヒラスズキやシーバスを狙う場合
潮通しのいいそれなりに水深があるエリアより、シャローエリアにあるスリットの方が魚が多いことがあります。
他には寒くなるとサーフからヒラメを狙う際、秋より魚との距離が近くなることがあります。
これはより浅い方が日光も当たるし、水温も上がりやすいためとされています。
サーフでは足元、波打ち際は溜まっていることがあるので最後までしっかりとルアーを引きましょう。
釣りにおいて潮通しがいいところは釣れるイメージがあります。
しかし冬場の場合は潮通しのいいところはマイナスとなることがあります。
というのも単純に潮通しがいい場合、シャローで温まった海水より冷たい海水が流れている可能性があるためです。
感覚的には人間は夏は風を心地よく涼しいと感じますが冬は寒いです。
冬の潮通しがいいというのは要注意です。
ただし黒潮といった暖流が接岸している場合は潮通しがいいポイントは最高です。
冬は海の透明度が上がり、濁りを必要とする釣りではかなり難しい状況となります。
しかしナイトゲームにおいては一部の魚には濁りがない方がいいとされています。
夜はそもそも視認性が悪いため、濁りがなくても問題ない、暗くて濁りもあるとよく見えないのではと言われています。
ただし満月の夜はよく見えてしまいます。
また夏とは違い冬は夜間に最も潮が動きます。
ですが潮による影響を考えると夜の方が有利になりますが夜ですので日光で温まるシャローエリアが使えなくなったりします。
今回は寒い冬でも釣れる魚、釣れる場所について解説しました。
冬の釣りは水温が低い、透明度が高いと釣りにおいては不利なことばかりです。
爆釣するというのはかなり稀なこと。
価値ある1匹、という言葉が似合う季節です。