釣れ然なるままに written by 小泉 貴久

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釣りにおいて波は波はあった方が良いのか、凪の方が良いのか

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今回は波について解説します。

 

釣りをする上で好まれる気象条件はなんでしょうか。

晴れよりも曇りの方がいい、むしろ雨の方が良いという意見もあります。

 

波においてはどうでしょう。

海一面鏡のようにツルッとした方がいいでしょうか?

それともざぶざぶとしている方が良いでしょうか?

 

ヒラスズキにおいては波がないとかなり難しい釣りになる事が予想されます。

 

一般的には波はあった方が良いのか

魚の視点、釣り人の視点で考えてみましょう。

 

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釣りにおいて波は波はあった方が良いのか、凪の方が良いのか

波が発生する基本的な要因は風によるものです。

 

風が海面を押すことで水が押され、それが波となります。

今その場で風が吹いていなくても地球上のどこかで風は必ず吹いています。

 

大気は循環するのです。

 

そこで発生した波が風を伴わずに伝わってくるのです。

 

 

風以外には地殻変動によって起こる波もあります。

ただこれは発生するのが珍しく、発生した場合には津波となる場合がほとんどです。

 

 

釣りをする上で波のない状態、凪の方が釣りやすいでしょう。

ですが魚にとってはどうなのか。

 

波が魚に与える影響をご紹介します。

 

 

有酸素量が増える

まず波が立つということは海面が白く泡立ちます。

 

これは言い換えれば海水に酸素を取り込んでいる状態と言えます。

 

 

海面が風、波によってかき混ぜられることによって酸素が取り込まれ、酸素濃度が上がります。

酸素濃度が上がれば魚の活性も上がります。

 

 

なぜ酸素濃度が上がると魚の活性が上がるかというと色々な要因があります。

 

一つは息苦しさの解消。

これは港湾部の最も潮通しの悪いところがイメージしやすいでしょう。

 

全く潮が動かないところでは水の入れ替えがほとんどないため、ゴミや濁りが蓄積します。

 

その例として青潮、赤潮が挙げられます。

 

 

青潮とは、海面が乳青色または乳白色に変化した現象のことをいいます。

青潮となった海水は酸素が無いので、魚や貝などの海の生き物が大量に死ぬことがあります。

 

原因は、海水の富栄養化にあります。

家庭や工場から排出される有機物や、海で発生した大量のプランクトンの死骸が海の底に沈むと、バクテリアが有機物を 分解するために大量の酸素を消費します。

 

その結果、海の表面から酸素が供給されないと、海の底に酸素の薄い層ができます。

強い風が吹くと、この層が押し上 げられ、バクテリアによって出来る硫化水素を含んだ酸素の薄い水と大気中の酸素が反応し、硫化硫黄ができます。

この硫黄が太陽の光を反射して海面が乳青色または乳白色に見えるのです。

 

 

 

赤潮とは、「海水中で微少な生物(おもに植物性(しょくぶつせい)プランクトン)が異常に増殖して、そのために海の色が変わる現象」をいいます。

赤潮は富栄養化したところで発生します。

 

人間が使った洗剤や農薬、肥料などにふくまれる窒素やリンはプランクトンの栄養になります。

海水が富栄養化した状態のときに太陽の光をたくさんあびると、多くのプランクトンが発生し、魚のえらにプランクトンがつまったり、プランクトンがいっせいに呼吸することで水中の酸素が少なくなるので、魚や貝などが酸素不足で死んでしまいます。

 

 

 

青潮、赤潮と多少メカニズムは異なりますがこれらは潮通しのいいところ、海水が常にかき混ざり、流動的なところでは発生しません。

 

 

 

流動的になる

月と太陽の引力によって発生する干満。

これが潮の流れを生みます。

 

この要素以外に風によっても海水は動くことになります。

 

最初は微々たるものですがそれが強まり、と奥に行けば行くほどその影響は大きくなります。

 

 

台風が離れた沖にあったとしても海岸までうねりが到達します。

 

この時、沖からゴミが流れ着くことがありますがこのようにして海水も動いてくるのです。

 

 

魚が接岸する

今紹介した波でうねりが海岸まで到達する。

ゴミなどが漂着するというのと同様に魚も岸へよってきます。

 

 

これは単体で寄ってくる場合もありますがほとんどが連鎖によるものです。

 

 

まずは遊泳力がほぼないプランクトン。

このプランクトンが風、波で流されます。

 

それを追う小魚。

また風や波が強ければ遊泳力の低い小魚も一緒に流されてきます。

 

それを追って大型の魚も入ってくるようになります。

 

 

なのでフィールドや地域によって異なりますが向かい風というのは割と釣れやすくなる要素と言えるでしょう。

 

 

釣れやすくなる要素

波があると魚にとってプラスになるというのがわかりました。

 

ですがもちろん限度はあります。

洗濯機のような激荒れでは魚は隠れたり、影響の少ない深場へ避難したりします。

 

適度な波が魚にとってプラスということです。

 

 

釣りに与える影響ですが波が多少あることで仕掛けやルアーをぼやかすという効果があります。

 

べた凪のような状態ですと仕掛けやルアーが魚から鮮明に見えて釣れなくなる事があります。

 

 

こういった凪の場合の対処方法ですが普段より仕掛けを補足したり、

ルアーであれば見切られにくいものを使う。

 

例えば海の中から海面に近づくほど魚にとっては見えにくくなります。

 

水深2mのラインより水面直下の方がよく見えません。

さらには大気と海水の境目を泳ぐトップルアーは何かが音を出して動いているという感覚であると言われています。

 

 

凪の日にはトップ系のルアーがおすすめです。

逆に荒れている時はトップ系のルアーは見つけてもらえないということもあります。

 

 

こういった点から波がある程度あった方が見切られにくいと言えるでしょう。

サラシも含めて波はルアーをカモフラージュするのに大変効果のあるものです。

 

 

釣りやすくなる要素としては先ほども紹介したように向かい風といった場合では魚がよってきやすいという点もあります。

この場合、必ずしも向かい風で波が正面からくる必要はありません。

 

 

場合によっては風裏に魚が押し付けられる、逃げ込んでくるということもあります。

 

 

どれくらいの波なら釣りができるのか

最後に波予報について少し解説します。

 

波がある日ではショアもオフショアも釣りができるのか?と気になるところ。

 

 

波が高いと釣りができない

というのが基本ではありますが必ずしもそうではありません。

 

 

釣りにおいて強すぎるとできないのは風を伴う波です。

 

強風で波が高い日は陸でも船でも釣りが難しくなってきます。

 

 

風がない状態でうねりだけ、波が高い状態であれば船なら釣りができる可能性があります。

 

 

 

これはどういうことかというと風が伴う波は常に海面を風が撫でているので波が細かく立ちます。

最初は海面がざらつく程度、それが集まって細かい感覚で波となり、次第に大きくなります。

 

なので波の間隔がかなり短く、どんどん波が押し寄せてきます。

 

 

 

風がなく、波だけ高いという場合。

これは波の間隔が長い事が多いです。

 

 

なので船の場合は揺れまくるというよりは飛行機のように上昇、下降を穏やかに繰り返す感じになります。

こういった波の場合は船で釣りをする上でさほどストレスを感じない事が多いです。

 

 

風がなく、波が高い場合の陸は船とは違って波が当たりますので風がある場合と同じように危険な事が多いです。

 

 

 

 

今回は波が釣りに与える影響について解説しました。

 

凪だおれという言葉があるように、釣りにおいて凪はあまりいいことではないのかもしれません。

 

日本においては一年を通して凪の方が珍しいです。

凪だおれの可能性はありますが釣りができないシケよりはマシではないでしょうか。