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みんな大好き青物
全国各地で凄まじい人気を誇る青物
青物人気の理由はもちろん食べて美味しいというところではありますが
それよりも青物の引きを味わってしまうと釣り人の脳内の筋肉が発達し、
その脳内で発達した筋肉は青物の姿となり、青物のことしか考えられなくなるという。
このように中毒性がぱねぇ青物。
青物を釣るために様々なタックルが、ルアーが用意され、釣り方もいろいろとあります。
簡単に釣れる時は何やっても釣れる一見イージーな魚ではありますが
これは他の魚に比べるとやる気があることが多い、というだけ。
よく言われるのは魚の警戒心、臆病だから
自然界で生きる上では当然の性質です。
青物においては魚という類ですとビビる必要はあまりないくらいのポジションに君臨する魚。
そのため警戒心は持ち合わせていないわけではありませんが他の魚に比べると積極性が高くなります。
ただ、積極的ではあるがちょっとした違和感があったりするとくわない
見切るといった餌の識別能力に非常に長けています。
つまりクソみたいなルアー、アクションでは見切られるということです。
青物釣りに行って今日はナブラもボイルもなし、魚はいなかった
と思うかもしれませんが実はチェイスされていて見切られていたことに気が付かないことが結構あります。
気が付かないで帰ってしまうと、次の釣りでも同じような見切られる釣りをしてしまい
青物がイージーモードに入らないと釣れない人になってしまうかもしれません。
今回は見切られる原因である巻き速度にフォーカスを当てて
青物が釣れる巻き速度、青物が釣れない巻き速度についてご紹介いたします。
早く巻け!巻く速度を遅くすると釣れなくなる青物
青物はよく泳ぎ、よく食う元気のいい魚です。
青物はバチクソ早い速度で泳ぐことができ
ヒラマサは時速50km以上
ブリは時速40kmと脅威的なスピードを出します。
ブリにおいては【ビヘイ】一振りで5m~10m泳ぐとも言われています。
青物全般的に高速で泳げるように全身が設計されており、背びれは格納できたり、
体は流線型だったりと新幹線のようなものです。
最高速度は40km以上と車レベルですが回遊速度は1ノット、時速18km程度と言われています。
ただ結局のところ、魚の詳しいスペックというのは測定が難しく、
あくまでこれまで積み重ねてきたデータからの推測であるともいえます。
また種類にもよりますがイワシは巡航速度は時速3km前後
時に危険が迫っている場合は時速20kmほど出せると言われています。
ただし、スタミナは無限ではありません。
この速度というのが青物を釣る上で非常に重要な要素となってきます。
見切られる要素
青物釣りで主に使われるルアー
ダイビングペンシル、ポッパー、メタルジグ
これが主体となり、サブでシンキングペンシルやミノーがあります。
ヒラマサキャスティングにおいてはダイビングペンシルかポッパーの二択でシンペンやミノーはほぼ使われません。
これはなぜかというと
一つは水中にあるものは見切られやすいから。
活性が高かったり、小型でまだまだ未熟なヒラマサであれば見切られることはありませんが魚は大きくなればいろいろと成長します。
そのため水中にあるものは見切られやすくなるため水中と大気の境目である水面をジャバジャバと泡を纏ってカモフラージュすることで見切られにくくしながら
音や波動で魚を寄せています。
このようにカモフラージュしたりルアーを見せつつ、見せ切らないということをしないといけません。
ということは凪の日にはさらに釣れにくくなるということです。
凪ではよく見えるということもありますが魚の活性も落ちやすい。
そのため釣りをしやすいのは凪ですが釣れにくい凪になります。
冒頭でも紹介しましたが青物は釣れる時にはなんでも釣れる。
ただ通常時は割とシビアな魚です。
ルアーの出す波動だけでは決め手にかけるという場面が実は多くあります。
ルアーの速度
マグロやカジキも青物の仲間。
これらの魚はキャスティングで狙うことも可能ですが独自とも言える釣り方
トローリングというものがあります。
船でルアーを引っ張るという釣り方。
これは船が走ることで短時間で広範囲探ることができ
マグロだけではなくサワラでもこれを使った漁があります。
この方法が成立するのはそもそも青物の巡航速度が早いから。
また船が走っても食ってくるような速度であるから。
諸説ありますがヒラマサにおいてはダイペンなどのカモフラージュルアーを除き
水中でルアーを泳がせて食わせるには1ノット、時速18kmほど必要だと言われています。
それ以下の速度ではカモフラージュ要素がない限り、見切られる可能性が高い。
ということはミノーやシンペンは時速18km程度出さなければなりません。
番手によって異なりますがエクストラハイギアの場合ハンドル1回転あたり1m
1秒間に1回転回した場合
時速3.6km
電動リールでは時速11kmくらいは普通に出せます。
手巻きでも気合と根性があればなんとかいけるはず。
ただ巻き抵抗などもあるため簡単ではないでしょう。
とこのように見切られない速度で巻くのがまず難しい。
仮に時速18km程度で負けるとしても普通のミノーなら泳ぎが破綻して海面から飛び出してしまうことでしょう。
リップのないシンペンは海面から飛び出しスキッピングになるかもしれません。
これはこれで釣れると思います。
このような点において青物を狙う際のミノーやシンペンは遅くしてもいいことはないといえます。
チェイスが見えると追いつけないのかな?という優しい心が出て巻くのを遅くしてしまいそうになりますがそれは逆効果でチェイスが見えたら早く巻くかトゥイッチなど見切られないアクションやスイッチを入れるのが得策です。
アクションで食わせる
水中にあって遅いルアーは見切られる可能性が高いですがこれを回避する方法があります。
それはジャーク、トゥイッチといった緩急をつけた動き。
リアクションバイトを誘うような動きです。
メタルジグではワンピッチジャークは基本となりますがミノーやシンペンにおいてもこの方法は有効です。
ボトム着底からゆっくり巻き上げてくるメタルジグ。ただ巻き
これはなんとなく釣れるイメージが湧かないと思います。
フォールやストップで食わせられますがあまりただ巻きでチェイスからのヒットというのは多いものではありません。
ミノーやシンペンにおいてもこれが当てはまり、ガンガンアクションをつけることで見切られにくくなります。
ただミノーについては青物に強いミノーというものがあります。
先ほど紹介したように時速18km近くが必要なのでは、と言われていますが
これ以下の速度であっても、ただ巻きでも出す波動が見切られるものでない場合、ただ巻きでも食ってきます。
デッドスローでないとくわない、というのはあまりないかもしれませんが普通から早いくらいで食わせられるミノー、これが売れる優秀な青物ミノーです。
別の動画で触れたことがありますがこの優秀な青物ミノーを作るのが難しい。
前提として青物に耐えられるボディとフック、そしてキャストしやすいタックルに合わせた重さとするとルアーが重くなります。
そのためアクションのキレが悪くなり、ドン臭いミノーになりやすい。
逆にキレッキレのミノーを目指すとボディやフックが弱くなり、魚はかかるがキャッチできないなど問題が出てきます。
青物ミノーについては発展途上ですので今後に期待です。
シンキングペンシルはスキッピング、ノンストップジャークとも言われるもので使ったり
水面直下を引いてきたり、沈めた場合はワンピッチジャーク、その時に出るフォールで食わせることが多くなります。
シンペンはメタルジグと同じような使い方ができる便利なルアーです。
今回は巻く速度を中心にご紹介いたしました。
青物においてはこのルアーの速度に追いつけるか?追いつけないのか?
という心配はほぼ無用です。
青物に本気を出させたらリールでは追いつくことができない速度となります。
ダイペンやポッパーであれば気泡や水面のガチャガチャ
トゥイッチ、ジャークで見切られないようにする。
時と場合によってこのアクションのリズムが悪く、反応しなかったりミスバイトが多いということがあるので色々なパターンを試す必要があります。
このようなアクションやルアーのローテーションのバリエーションを持つことで
これまで魚がいなかったと思っていたところがそうではなかった、となることがあるかもしれません。
やる気のある青物は何やっても釣れることがありますが通常運行の青物は結構シビアなことが多いです。
最後に経験上の話ですが
青物用リールで軽量特化リールを使うと早巻きなどで酷使しすぎてすぐにギアを始めリールがダメになります。
ファイトだけではなく、ルアーを引く際の負荷もバカにできません。
青物専用リールはなるべく剛性の高いものをお勧めします。