釣れ然なるままに written by 小泉 貴久

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キャストでルアーが回転する理由と改善方法

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キャストするとルアーがなぜか回転する。

 

これは回転しやすいルアー、回転しやすいキャスト方法、回転しやすいタックルと要因は様々。

 

そもそもどういった原理でルアーが回転してしまっているのか

何がいちばんの原因なのか

 

これを知ることでキャストを補正することができるでしょう。

 

 

道具という問題もありますがこの点から詰めていくと使えない釣具が出てきてしまい、釣りの幅がぐっと狭くなります。

 

一番補正しやすく、柔軟に対応できるのは我々人間です。

 

 

今回はキャストするとルアーが回転する理由

キャスト、タックル、ルアーそれぞれの持つ回転要素。

改善方法についてご紹介いたします。

 

 

 

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キャストするとルアーが回転する理由と改善方法

 

キャストにおいてルアーが回転する理由、要素は

 

 

ラインがスパイラル

ロッド、特に穂先がスパイラル

ルアーがスパイラル

 

 

とあります。

 

 

 

ラインがスパイラル、というのはスピニングにおいては構造上、キャスト時にテンションがフリーとなりラインが出る際にスパイラル状に放出されます。

これがガイドにある程度ぶつかり、補正されますがラインが持つ力としてはスパイラルです。

 

 

 

 

ロッド、穂先がスパイラルというのはロッドを振ると縦方向上下二次元に揺れる場合もありますが投げ方によっては縦横三次元に揺れ、穂先がスパイラルになります。

 

 

ルアーがスパイラル

これは風を喰らうとその風を逃がそうとしたり、押されることで体制を崩しルアーが回転します。

風車みたいな感じと思ってください。

 

またルアーによってサイズと重心の位置によって回転しやすいかどうかというのもあります。

 



 

このような要素がキャスト時にルアーを回転させています。

 

 

 

回転させる要素ばかりで、回転するのが必然

回転しないことはすごいことなのでは、と思うほどです。

 

 

 

ちなみにキャスト時にルアーが回転する

というのは目視できる範囲ですので最初はまっすぐ飛んでいるが遠く見えなくなった頃、着水時には回転しているかもしれません。

逆に目視できるキャストした直後から30mは回転しているがそのあとは姿勢が制御されて真っ直ぐになっていることもあります。

 

 

 

余談になりますがデュエルモンスターショットはそういった性質があり、キャスト時には回っていても弾道の頂点から降下時に姿勢が真っ直ぐになることが多いです。

モンスターショットをお使いの方は注意してみてください。

 



それでは一つずつ解説してまいります。

 

 

ラインがスパイラル

 

スピニングがどのようにラインを放出するのかを見るとわかりますがラインがスパイラル状に出ていきます。

 

もしガイドがなく、この放出がルアーにダイレクトに行ったとしたら新体操のリボンのように美しい回転を見ることができるでしょう。

 



 

というのがスピニングにおいて根本的要素としてあります。

 

先ほど紹介したようにベイトも糸グセがスパイラルですが放出する方向

つまり癖が伸びる方向にスプールが回転、ラインが出る。

 

またブレーキがあるため、キャスト時にある程度テンションがかかるようになっています。

 

よってベイトタックルにおいてキャストでルアーが回転するのはリール、ラインの影響よりは投げ方、ロッドの揺れ、風の影響が多くなります。

 

 

 

 

この理屈から言えばスピニングにおいてもキャストでスプールに指を添える

サミング、フェザリングを行うと回転しにくくなります。

これも飛んでいくルアーに対してテンションがかかるため、スパイラル要素が緩和するためです。



 

スピニングがスパイラル状に放出するのは構造上仕方ありませんし、この方式によって飛距離を出すことができています。

 

なのでこういった問題についてリールの性能やロッドの性能でカバーされている面でもあります。

 

 

スピニングでは回転は抑えられない、というわけではありません。

 

 

ロッドがスパイラル

ルアーが回転する初期要因にラインがスパイラルとご紹介しました。

といっても現代の技術においてはリール、ロッド、ラインでかなりその要素を押さえ込むことができています。

 

 

ニュートラル状態で放出できればルアーの質量的に回転してしまうほどではありません。

この点について少し触れると太いライン、糸癖が強くつくライン

例えば太いフロロカーボンといったラインで

バランスの悪いレベルで軽いルアーを使うと回転しやすくなります。

 

これは糸癖に対してルアーが引っ張る力が弱くなり、癖が取れずに飛んでいくためです。

 

 

 

話を戻して

ソルトルアーにおいて、特に大きなルアー、長いロッドを使う場合

投げ方が上下二次元の動きだけではなく横の動きもするようになります。

 

オーバーヘッドキャスト、といってもロッドが長くなったり、ルアーが重くなったりすると斜め方向の動き、スリークォーター気味になります。



真上にあげて真下に振り下ろす

というのはロッドが長いと、ルアーが重いとやりにくく

ロッドにルアーを当ててしまう恐れがあるためとも言えます。

 

 

 

そのためソルトルアーのキャスト

特にペンデュラムキャストでは斜め方向に振ることが多くなります。

 

 

こうして縦の動き以外に横の動きも加わります。

 

重力は真下にかかりますので斜めにロッドをふればベクトル分解で横方向のベクトルが生まれ

そしてそれをしなやかなロッドが受ければ力を発散するために回転するといった流れです。

 

 

 

こちらもリールとライン同様に現代の技術ではある程度抑え込まれています。

 

ロッドがシャキッと、復元力

元の状態に戻る力が高くなれば穂先の回転が減り早く一直線になります。

 

全てがそう、とは言い切れませんがハイエンドのロッドの方がこの性能は高くなり、やすいロッドほど回転しやすい傾向にあります。

 

 

 

またルアーに常に一定のテンションがかかっていればラインの回転は引っ張られるため消せると紹介しました。

 

 

これはロッドの要素にも関係しています。

 

 

例えばルアーを射出したあと、ロッドが真っ直ぐになっていれば

ラインが激しくたわむことなく、ルアーに引っ張られて飛びます。

 

 

しかしロッドがキャスト直後に思いっきり下方向へしなった場合

それが真っ直ぐに戻る間、ラインはフリーとなります。

 

このロッドが大きく曲がり、元に戻ろうとする場合

ラインのテンションが抜けやすくなるのと、その後に穂先が回転しやすくなるのでダブルで回転する要素を与えることになります。

 

 

ルアーが回転してしまう最大の要素はこれです。

 

投げる際に過度な振り抜き、または急加速からの急減速といったロッドがバインバインとなりそうな行為はルアーを回転させる原因となります。

 

 

リール、ラインの要素がほぼ関係ないとされるベイトタックルでルアーが回転する場合の多くはまさしくこれです。

ベイトタックルは投げ方的にもロッドがバインバインせず、ビシッとなるのが成功とも言えます。

 

バインバインしたり、反発からの復元が強く出るとバックラッシュするのでキャストを強制補正することができます。

 

 

スピニングではとりあえず飛ぶので間違い探しが難しくなります。

 

 

ルアーがスパイラル

ルアーが回転する要素としては空気抵抗と重心。

 

いちばん回転しないものはナス型錘のような球体に近いもの。

これは重心を投げているようなものなので回転する要素がほぼありません。

 

 

よってバイブレーション、メタルジグといった小型で質量のあるものが回転しにくいルアーとなります。

 

 

ただし長い鉄板バイブやロングジグでは長くなることで重心と末端に差が出てくるためこの限りではありません。

 

 

同様に長めのシンキングペンシルも割と回転しやすくなります。

小柄のずんぐりむっくりシンペンはメタルジグと同じようになり、回転しにくく安定します。

 

 

 

 

そのほかミノーなど内部にシステムが入っているもの。

これらは 

 

キャスト時にシステムがガコンとテール側に入り、推進力を生み出し引っ張ってくれますがシステムが作動しない場合は重心がルアーの中心あたりに来るため回転しやすくなります。

 

システムをどう作動させるか、というのはメーカー、機種によっても異なりますがキャスト時におけるメリハリのついた動きが必要となる場合がほとんどです。

 

ボールが内部で移動する場合は割と簡単に作動しますがマグネットを使用している場合

ルアーを手で持って振ってみるとわかりますが意外とマグネットが後方へいかないのがわかります。

 

 

簡単に後方へいかれてしまうと泳がせている時に問題となるためです。

 

 

 

余談ですがシステムの理屈はルアーのリアへ重心を移動させることで推進力を与えるというもの。

システムが作動した後にルアーが受ける空気抵抗でさらに浮かび上がる

飛行機の羽のような作用をして飛ぶものもあります。

 

 

こういったルアーは強風時、向かい風で投げてみると明らかに離陸というかホップアップします。

 

これが最高の飛距離を出すか、と言われるとそういうわけではありませんがメーカーによって飛行の癖があるので面白いところです。

 

 

 

一通りルアーの重心についてご紹介しましたが重心と進行方向、そしてルアーの末端、スプールが一直線になっている場合はルアーは回転しません。

 

これらがずれていると

例えばセンターに重心があるルアーではフロント、リアが空気抵抗を受けて重心を真ん中にして回転します。

厳密にはラインで引っ張られているためリアがいちばん回ることが多くなります。

 

 

基本的に空気抵抗を受ける先端

つまりルアーのお尻側がまっすぐ飛んだ場合は例えルアー真ん中、フロントが回転したとしても空気抵抗によって真っ直ぐに補正されます。

 

 

100%がこの理屈ではありませんがこれがルアーの持つ要因です。

 

 

 

改善方法

道具による改善は今回は触れませんので直すべきはキャストについて。

 

 

タラシからテイクバック時にルアーが乱れていれば当然飛行も乱れます。

 

なのでルアーが安定させた状態からキャストを開始する。

またはテイクバックする時にテンションは一切抜かず、常にロッドの穂先にルアーの頭が向いている、追尾している状態にすれば乱れません。

 

 

 

次にシステムが入っているルアーであればメリハリのあるキャストをしてシステムを聴かせる必要があります。

 

メリハリとは具体的には一瞬の加速といったいものです。

テイクバックからスイング開始する際の初速

 

またはオーバーヘッドならテイクバックする瞬間、といった低速からの高速への切り替えが重要になります。

 

かといって思いっきり振るとロッドが暴れることにもなります。

 

そしてキャスト、リリースにおいてはロッドを振り切らない、振り下ろさない

穂先に余計な回転を与えない

という点。

 

これはキャスト直後にロッドの穂先を注意してみると暴れているかどうかがわかります。

リリースポイントから振り抜きすぎたり、急加速した後、急停止したりすると暴れやすくなります。

また体のブレ、体に重心がブレることでも起こります。

 

大胆、豪快なキャストよりスマートでクイックなキャストの方がこれらの要素を満たしやすくなります。

 

 

 

 

 

今回はルアーが回転する理由についてご紹介しました。

近年ではタックルの進化、ルアーの進化でかなり回転しないようになってきました。

 

とはいえ、プロであっても毎回回転しないというわけではないようです。

 

風などの自然要素も含めてキャストのうち6割回転しなければ個人的には成功だと思っています。

ルアーが回転しないで投げられるようになるとフォームが目に見えて綺麗になったりします。

 

とはいえあまりストイックにならず、適度にできるようになればいいのではないでしょうか。