リールにはさまざまなギア比があり、近年,
より細分化されてきました。
ギアによってハンドル一回転あたりの巻き取り量が変わる、というのがカタログスペックから読み取る事が可能ですがそれが釣りにどのような影響を与えるのでしょうか。
巻き取る速さ以外にもそれぞれの特徴が存在します。
これらをうまく組み合わせることでより最適、快適な釣りをする事ができるはず。
逆に言えば選択を間違えば色々と大変な目に遭ったり、かなりしんどい釣りになってしまうこともあります。
今回はリールのギア比はどう選ぶべきか。
あなたの求める最適なリールのギア比についてご紹介します。
この記事の内容はYouTubeでもご覧いただけます。
【あなたの求めるものは?】最適なリールのギア比の選び方と特徴
現在あるギアは主に
パワーギア
ノーマルギア
ハイギア
エクストラハイギア
とあります。
一部では
ローギア、ノーマルギア、ハイギアとされるものもあります。
ハイギアになるほどにハンドル一回転あたりの巻き取り量が多く、ローギア、パワーギアになるとハンドル一回転あたりの巻き取り量が少なくなります。
またカタログを見る上でこのような巻き取り量、最大巻き上げ長さの他にギア比というものも書いてあります。
ギア比というのはハンドル一回転でベイトならスプール、スピニングならローターがどれくらい回転するかというものです。
メーカー、機種によって若干差はありますが
ギア比 5ではパワーギア、ローギア
ギア比 5〜5.7 がノーマルギア
ギア比 5.8〜6.1 ハイギア
ギア比 6.2以上はエクストラハイギア
となっています。
ちなみにそれぞれPG、HG、XGと略称がありますがノーマルギアに関しては無表記のものが多くなっています。
ノーマルギアがスタンダードな感じもしますが現在主流、中心となっているのはハイギアです。
迷ったらハイギアを買っておけば間違い無いでしょう。
逆にノーマルギアは機種や番手によって存在しないものも多くなっています。
ハイギアならほぼほぼどの機種、番手にもあるギアです。
ギア比が釣りに与える影響
ギア比の比較では巻き取る速度と巻き取る際に必要となる力、ハンドルが重いか軽いかというのがメインの部分です。
ギア比については自転車を想像するとわかりやすいかと思います。
漕ぎ出しで使う一番低いギアは漕ぎ出しが軽くスムーズに走り出す事ができます。
しかし速度が出てくると回転が間に合わず、適切に力を加える事ができません。
速度を出したいなら高速で足を回すしかありません。
その反対に高いギアでは一回転でより遠くへ、速く自転車を動かす事ができます。
足を早く回さなくても最高速を出す事が可能です。
しかし漕ぎ出しで使用する場合はとんでもなく重たく、漕ぐのに大きな力を必要とします。
これはリールでも同じ事です。
自転車や車、バイクのようにギア比が変わるリールというのが今後出てくるかもしれません。
リールの巻き取り力
重たいものを巻き取りたいのであればその名の通りパワーギアが有利となります。
軽い力で重い力を巻き取る事ができるのでジギングや根魚などパワーファイトが必要となる釣りで使われます。
弱点としては巻き取る速度が遅いためラインスラックの回収といった作業に時間がかかってしまいます。
そういった面ではハイギア以上がおすすめです。
ラインスラックを高速で巻き取る事ができ、ルアーのただ巻き、回収に適しているためルアーフィッシングのスタンダードとなっています。
ただ自転車と同じように重いものを巻き上げる、巻き出すときに力が必要となるためそういった場面では筋力が必要となるでしょう。
オフショアジギングでエキストラハイギアだと結構きつい場面が多いかもしれません。
ただ一概に無理ということはなく、ロッドの性能によってはエクストラハイギアでも問題なく使用する事ができます。
巻き取り量と運動量
比例するといってもいいでしょう。
それでは具体的にどんな釣りでどんなギアがいいのかご紹介いたします。
パワーギア、ローギア
ゴリ巻きしたい
別にラインを早く巻き取り必要はない
という場合はパワーギアがおすすめです。
例えばロックフィッシュのようにルアーの巻き取りがメインではない
ヒットした後にロッドのパワーとリールの巻き取り力が必要
そうでないと根に潜られてしまうという釣りではパワーギアの出番です。
バス釣りにおいてもとにかくバスを引きずり出さないといけないような場合ではローギアが使われています。
管理釣り場においてシビアな巻き速度を求められる事があり、そういった場合はパワーギア、ローギアだとかなり細かく調整する事ができます。
他には釣りにおいて巻く頻度が少ないもの、巻くという行為がそこまで重要ではないものにおすすめ。
例えば餌釣りではパワーギアを使う方が多くいらっしゃいます。
またパワーギアは耐久性に優れており、ハイギアに比べて比較的長持ちする傾向にあります。
というのも無理なくごり巻きできる
ハイギア、エクストラハイギアでは強引にゴリ巻きをするとハンドルが折れたりギアが削れるといった問題があります。
しかしパワーギアであればこういった問題が少なくなるという事です。
オーバーホールする際にメインギア周りの交換は結構な金額しますから、長持ちするというのは大きなメリットだと思います。
ただ巻き取りが少ない、遅いのでラインスラッグが出るような釣りでは向いていません。
例えばヒラスズキやサーフ。
風が吹いている状態で糸ふけが出て、その回収に手間取ると狙ったコースを外れてしまったり、思わぬところにラインが引っかかり、根がかりというかラインがそこに絡まり擦れて切れるという問題があります。
青物においてジギングはやりやすいところがありますがトップウォーターを使う際
操作する上でロッドの動きと巻き取りがなかなか合わないず使いにくいということもあります。
ハイギア、エクストラハイギア
ノーマルギアに関しては中間よりローギアよりなもの
ローギアを使うほどではないがハイギアはいらない、という方におすすめです。
ハイギアは今やルアーフィッシングの中心的存在。
ハイギア、エクストラハイギアは糸ふけ処理が楽というだけではなく、今使われているルアーを巻きやすい、ちょうどいい巻き取り速度となっています。
一般的にルアーの操作でただ巻きです。
普通にただ巻きするだけ・・・と言われる場合はハイギアだと思っていいでしょう。
冒頭でもご紹介した通り、迷ったらハイギアを買えばほぼ問題ありません。
またジギングでもハイギアは使いやすいもの。
エクストラハイギアだとジギングはきついかもしれませんがキャスティングにはぴったりです。
またハイギア、エクストラハイギアはアクションをつける上でも使いやすいギア比となっています。
例えばペンシルベイト。
ものにもよりますがロッドアクションなし、ロッドとルアーを一直線にして固定した状態でハンドルを半回転するだけでドッグウォークすることもできます。
ビッグベイトでドッグウォークさせてて手首が痛い、という場合はエクストラハイギアのベイトリールでハンドル半回転
ハーフピッチジャークといった巻き方をやってみてください。
とても楽です。
ただパワーギアの反対に巻きが重くなります。
流れの抵抗を喰らうと一気にハンドルが重くなり、当然魚がかかってからも重くなります。
ロッドが仕事をしてくれないと巻き取るのは難しいということもあります。
そして無理に巻くとハンドル、ギアが壊れるリスクもあります。
巻きが重くなるのはデメリットもありますがメリットもあります。
それは流れを感知しやすいということ。
ヒットではなく、ゴミを拾ったわけでもなく巻きが重くなったら
または突然軽くなったらルアーが何らかの流れの境を通過したことになります。
パワーギアだとゴリゴリ巻いているためこういった微細な変化には気がつきにくいとされています。
一説によるとルアーの後ろに魚がついている
スリップストリーム状態になるとわかるらしい。
今回はリールのギアについてご紹介しました。
今の主流、使い方は一例であり、何かアイディアがあって試してみたら実は超快適というものもあるでしょう。
釣りは基本はありますが感覚は人によって大きく異なります。
ぜひあなたにあったものを見つけてください。