太陽の周りを回る地球
地球の周りを回る月
これら星が持つ引力、そしてその位置関係によって地球上にある海水に影響をもたらします。
地球、月、太陽が一直線に並ぶと引力のベクトルが分散されることがなくなるため、最も潮が動く大潮となります。
その大潮ですが大潮と一言で言っても新月の大潮と満月の大潮、2パターンがあります。
今回は新月の大潮と満月の大潮、釣りに与える影響について解説します。
この記事の内容はYouTubeでご覧いただけます。
釣りにおいて満月の大潮は釣れない?新月と満月の大潮の違い
潮周りで最も釣れるとされる大潮
潮は
大潮
中潮
小潮
長潮
若潮
そして中潮に戻り一周します。
全ての魚に共通しているわけではありませんが潮が多く動くということは魚の活性をあげ、行動力を上げる効果があります。
活性が上がれば餌を積極的に食べるようになるので釣れる
行動力が上がれば魚などんどん回ってくるので遭遇率が上がり、釣れる
ということです。
大潮で釣れないこともありますがこれはなぜか、というのを以前別の動画で紹介したのでよろしければご覧ください。
この潮の動きは月と太陽の引力によるモノです。
地球上では実は重力が微妙に変化しています。
厳密には重力ではなく、月と太陽からの引力の影響によるものです。
この引力は海水に影響を与えるだけではなく、生物にも影響を与えます。
特に生物の産卵行動はこれらの引力が影響しているとも言われています。
人間であれば月の状態によって出産のタイミングがわかったりすることもあります。
少し話がそれましたが月と太陽と地球の位置関係でその影響力が変わります。
大潮というのは地球、月、太陽が一直線に並んでいる状態。
一直線に並ぶというのは二パターン存在します。
地球、月、太陽の並びの新月パターン
月、地球、太陽の並びの満月パターン
月、地球、太陽の並びになると引力が一部相殺されそうな感じがしますが地球は自転していますので遠心力によって裏側にも影響が及んでいます。
どちらにせよ、満潮と干潮は大潮、満月と新月で最大幅となります。
これらの配列の違いが釣りに、海にどのような影響を与えているか考えてみましょう。
満月と新月では塩分濃度が異なる
同じ大潮ではありますが満月と新月では塩分濃度が異なります。
これは先ほど紹介したように配列の違いによるものです。
地球、月、太陽の新月の配列では一直線に引っ張られることになります。
これによって完全にそうとは言い切れませんが潮の流れは単調的な動きになる場合が多いと言われています。
月、地球、太陽の満月の配列パターンでは一直線で遠心力が効くため大潮ではありますが引かれている向きが新月の時とは異なります。
ベクトルが同一方向ではないため、満月の方が複雑の潮流を生みやすいとされています。
新月のように一定方向に引かれる場合は塩分濃度が濃くなります。
地域によったり諸説あったりしますが一定方向に強く引っ張られることで塩分が集まりやすい。
満月のように分散し、潮流が複雑になることで海にある水、流れ込む水が攪拌し塩分濃度が下がるとされています。
ですがこれはどこに引っ張られるか、どこを基点として攪拌されるかによって影響が異なるとの意見もあります。
新月の大潮では塩分濃度が濃くなる地域が多いですが、その真逆になるところもあります。
さらには季節や大潮の前の天候によっても異なりますので一概にこれ!と決めつける事ができません。
今回はざっくりですが
新月はしょっぱい
満月はちょっと薄い 甘い潮としておきましょう。
ちなみに満月の塩、新月の塩と売っている地域もあります。
塩分濃度が上がると腹減る説
淡水魚と海水魚では塩に対する接し方が異なります。
淡水魚にとって塩分は人間に近いものがあります。
生きる上で塩分は適量必要になり、
多すぎる場合は毒でしかありません。
淡水魚の場合は淡水に含まれている酸素と塩分を吸収して生きています。
海水魚の場合は海水を摂取してまずエラで塩分を排出
さらに腎臓で塩分を処理して排出します。
淡水魚は塩分を吸収しようとするのに対し、海水魚は塩分を排出しようとするのが大きな違いです。
塩分について生物は上手く向き合わないといけません。
塩には脱水作用があります。
なめくじに塩をかけると干からびるというあれのこと。
余談ですが塩ではなく砂糖でも同様の効果が得られます。
浸透圧という言葉を聞いたことがあるかと思います。
簡単に説明すると塩分の濃い液体と薄い液体を半透膜(水は通すが砂糖や塩などの分子は通さない膜)を介して隣り合った場合
濃度を一定に保とうとして濃度の薄い方から濃い方へ移動する圧力のことです。
この膜というのは皮膚だと思ってください。
要するに
海水を飲みまくると細胞の水が外に流れ出し、脱水になり、干からびます
真水を飲みまくると細胞に水が大量に流れ込んできて、水膨れになって破裂します
海水魚の場合は脱水になるのを防ぐために塩分を大量に排出するわけです。
そのためずっと海水に浸かっている海水魚ですが食べるとしょっぱいというわけではないですよね。
今回は海水魚の話になりますのでそちらだけを解説いたします。
塩分濃度が上がると代謝を上げて塩分を排出しなければなりません。
代謝が上がるということはその分カロリーを消費し、必要となります。
なので塩分濃度が濃くなると魚は腹を減らしやすいということ。
ですがこれは現在の化学では完全に解明されているわけではありません。
満月は昼間と変わらない説
塩分濃度の違い以外にも満月と新月では夜の光量が大きく異なります。
満月で快晴の場合
かなり明るい夜となります。
明るい夜である場合、普段は見えないものもよく見える
魚にとっては昼とさほど変わらない夜になることがあります。
強いて言えばマズメ時のローライトみたいな感じかもしれません。
そうすると夜のうちに簡単に捕食することができるようになります。
エリアによって多少異なりますが満月の大潮の場合
深夜12時〜明け方にかけて最も潮が動く時間になります。
この食欲が上がる時間で明るくて捕食しやすい
となると昼間はいつもより満腹度が高く、活性が低くなる傾向にあります。
と、これに関しても現代の科学で証明されているものではありません。
大潮では満月がいいのか、新月がいいのか
現在議論されているものだと
新月は塩分濃度が上がり、魚の代謝が上がり、活性も上がるから釣れる
満月では変なタイミングで活性が上がるのでいつものように朝まずめが釣れるという法則が成り立たなくなる
なので新月の大潮の方が釣れる
とされています。
しかし満月の光量を生かすナイトゲームもあります。
発展していると思われている現代科学。
しかしこうしてみてみると未知のものが多いことがわかります。
釣りについて、魚について考えるというのは未知の生態について理解を深めるということ。
釣れるパターン、生態を独自に突き止めている場合、それは論文として発表できるものかもしれません。