今回はマグロキャスティングでのドラグ設定について解説します。
そのドラグ設定を解説する前にドラグ設定の基礎も説明させていただきます。
すでに基礎設定についてご存知の方は飛ばし読みしていただいて結構です。
マグロキャスティングに最適なドラグ設定は?フルロックは不要
結論
マグロキャスティングでの最適ドラグは5kg前後
フルロックはお勧めできない。
この理由について解説していきます。
ドラグ設定の基本
ドラグ設定はそれぞれ魚種によって異なります。
例えば根魚、カンパチ、ヒラマサ、ヒラスズキなど根付近にいる
または根に走る魚でドラグがゆるいと潜られてしまい、ラインブレイクします。
ヒット時などの一撃が強すぎる魚、マグロなどではフルロックした状態でヒットすると最悪タックルを手放してしまったり、船から転落や転倒する可能性があります。
人間がその衝撃に耐えられなくなってしまうのです。
もし耐えられたとしてもヒットした瞬間の強烈なテンションがスプール内でラインが食い込みラインブレイクする可能性もあります。
なので適材適所、といった具合に設定する必要があるのです。
マグロでは5kg前後と最初に書きました。
正直、ゆるくないか?と思う方も多いでしょう。
マグロにおいてのドラグ設定5kgというのは初期設定であり、徐々に締め込んでいくのが一般的です。
初期設定が5kgと比較的ゆるくていい理由
5kgのドラグ設定はいざ手で引っ張ってみると結構ゆるく感じます。
ロッドで引っ張ってみると適度にロッドがしなる程度(ロッドの硬さにもよります)
マグロやカツオなど弾丸系の回遊魚はとにかく高速で走る魚です。
そのためバイトも強烈でヒット後のファーストランではまるで車のような速度で走っていきます。
まずファーストランは走らせるのが基本です。
マグロとのファイトはじっくり体力を奪いながら寄せる釣りとなります。
当然ゴリ巻勝負で勝てる魚でもありません。
また根があったり、根に潜る魚ではないのでラインキャパ範囲内であればいくらでも走らせていいとも言えます。
極端な話、300mラインを巻いているリールで50mキャストしてヒットしたら250mくらいは走らせていいということです。
走らせていいとはいえナブラでヒットさせると他のマグロや他のアングラーのルアー、他船に当たる可能性がありますがこれは仕方ありません。
最終的な最大ドラグ値は
最終的には10kg前後になることが多いです。
これはラインやロッドによって異なります。
また最終的な最大ドラグ値はアングラーの筋力によって異なります。
筋力がある方ではドラグを締め込んでも伸されることなく腕力を始め、全身の筋肉でファイトします。
当然力がなければドラグを締め込んだ状態でのファイトは不可能です。
ドラグというのはそのための設定です。
力がなくても海に引き摺り込まれることなくファイトできるのがドラグの素晴らしい機能とも言えるでしょう。
なので非力であることを悔やむ必要はありません。
最終的なドラグ設定は魚が走っても伸されず、ドラグでラインが出る程度が理想です。
他の釣りでの理想的なドラグ設定1/3の計算
ドラグ設定の理想はライン強度の1/3と言われることが多々あります。
この計算方法の1例として
2号タックルの場合
(メーカーによって多少強度が異なることがあります。平均値で計算しております)
メインライン PE2号
強度 32lb(変換14.5kg)
ショックリーダー
強度 40lb (変換約18kg)
計算する場合は強度が低い方のラインで計算します。
この場合はPE2号 32lb(14.5kg)です。
結束強度を考慮します。
それぞれ結束方法によって、また熟練度によって強度が異なるので一概には言えませんが今回は強度70%とします。
14.5kgの70%
10.15kg
この10.15kgの1/3
3.38kg
これがPE2号タックルの理想的なドラグ設定となります。
先ほども書いたように釣りものによってはもっと締め込まないといけないこともあります。
タックルの理想とされる設定を把握し、なんとなくこの辺、といった自覚があるといいでしょう。